アルトコイン反動安でBTCも上値重く FOMCで期待インフレは反発
4日のビットコイン(BTC)対円相場は167,749円(2.34%)安の7,004,633円と2日続落し、節目700万円からの上放れに失敗した。
前日のNY市場終盤に史上最高値を更新し、初めて53万円台に乗せたイーサ(ETH)だったが、その後は反動安で上値を重くし、4日東京時間の暗号資産(仮想通貨)市場は全体的に軟調となった。BTCは710万円台中盤から700万円周辺まで下げ、一時間足の200本移動平均線が走る同水準で一時反発するも、SHIBが前日の安値を割り込み下げ足を速めるとBTCも反落し同移動平均線を割り込んだ。その後は、60,800ドル(≒692万円)絡みで下げ止まり、ソラナ(SOL)の一段高を受けて反発するも、一時間足の200本移動平均線がレジンスタンスに転じ、上値は抑えられた。

3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後にフラッシュクラッシュ的な推移が見られたBTC相場だったが、市場にサプライズとなる材料はなく、すかさず値を戻した。①テーパリングの開始、②早期利上げの否定、③インフレ要因は一時的と、今月からのテーパリング開始が9月から織り込まれていたと考えればハト派的な内容だった。むしろ③に関しては声明で、「expected to be transitory(一時的と期待される)」とこれまで単純に「一時的」としていたスタンスに若干の迷いが垣間見えた上、パウエル議長も高インフレの要因となる供給網逼迫の解消時期は予想困難と述べており、利上げを急がない割には依然として高インフレを容認する様な余裕さえうかがえた。
これにより、高値から反落していた米期待インフレ率も3日から反発しているが、BTCはアルトコイン相場にやや振り回されている格好だ。目先では、Rippleの年次イベントSWELLが9日〜10日に開催されるため、例年恒例のイベント開始によるXRPの「SWELL下げ」には注意したい。同イベントをこなせば、今月中旬に予定されるビットコインのtaprootアップデートが材料としてある。
その前に、今夜は米雇用統計が待ち構える。3日に発表されたADP雇用レポートでは、10月は市場の予想を上回る雇用回復ペースが確認され、BTC相場には重石となっていた。9月の雇用統計は市場の予想を大きく下回り、19.4万人の雇用者増に止まったが、10月は45万人前後の増加が予想されている。アルト売り一巡で市場が切り返す期待もあるが、雇用統計が上振れた場合にはBTC相場は再びレンジ下限の58,000ドル(≒660万円)を目指す可能性もあるので注意したい。





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bitbank Report 2021/11/05:アルトコイン反動安でBTCも上値重く FOMCで期待インフレは反発










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