手強い5.8万ドルのレジスタンス 今夜こそ上抜けとなるか
14日のビットコイン(BTC)対円相場は27,950円(0.43%)高の6,514,950円。一方、ドル高円安の影響で、BTCの対ドル相場は小幅に反落した。
Ark InvestとValkyrieのビットコイン上場投資信託(ETF)の承認が近いとのBloombergアナリストの指摘もあり、昨日のBTC相場は朝方から上昇し、58,000ドル(≒660万円)台に乗せた。しかし、そのまま対ドルで2月高値の58,367ドル水準にタッチすると、同水準が相場のレジスタンスとなり反落。節目の58,000ドルはサポートされず、海外時間に入ると東京時間の上げ幅を掻き消した。その後は、ロシアのプーチン大統領の暗号資産(仮想通貨)の価値を認める発言を受け反発するも、58,000ドルのレジスタンスに上昇を阻まれ反落、米時間にはこの日のマイナス圏に沈む場面もあった。ただ、相場は節目の57,000ドル(≒648万円)絡みで買い支えられており、終ベースでは小幅な動きとなるも高値圏での推移を維持している。

14日未明に公開された9月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、11月中旬のテーパリング開始が示唆される形となったが、消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)の高止もあって米ブレークイーブンインフレ率(期待インフレ、BEI)は更なる上昇を見せている。これにより、5年物と10年物のBEIはそれぞれ、年初来の最高値付近まで戻しており、来月の緩和引き締めが示唆されても市場のインフレ高進懸念は然程後退していないと言える。
今夜は米小売売上高の発表があり、市場予想では前回の0.7%から-0.2%前後への低下が見込まれている。景気減速とインフレが共存するスタグフレーションへの懸念も燻るなか、今夜の小売売上高が予想通り下振れとなれば、逃避的なBTC買いが入るか注目される。
やや失速している様子のBTC相場だが、こうした根強いインフレへの懸念の他、ETF承認期待や中国のハッシュレート解体によるネットワーク分散化など、ポジティブなムードは保たれている。昨日は5.8万ドルトライには失敗したが、引き続き保ち合い上放れで60,000ドル台に乗せるシナリオを想定している。





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bitbank Report 2021/10/15:手強い5.8万ドルのレジスタンス 今夜こそ上抜けとなるか










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