5.8万ドル目前で反落も底堅く 今夜のインフレ指標でどう動くか?
12日のビットコイン(BTC)対円相場は156,911円(2.41%)安の6,358,180円と反落。対ドルでは、上値目途として指摘した58,000ドルを目前に失速する格好となった。
東京時間のこの日のBTCは、始値の付く午前9時から一時的に売りが入るも中盤からは切り返し、対ドルの節目57,000ドル(≒647万円)を巡り高値圏で揉み合う展開。しかし、国際通貨基金(IMF)が、暗号資産(仮想通貨)が金融システムの脅威となる可能性をレポートで指摘すると、米時間からは上値の重い展開に転じ、米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長とアトランタ地区連銀のボスティック総裁からインフレ懸念を理由に金融政策引き締めを支持する発言が相次いだことも相場の重石となり、BTCは一時前日の上げ幅を掻き消した。しかし、今朝方には節目の54,000ドル(≒613万円)で切り返しており、足元、630万円台中盤まで戻している。

今夜は米消費者物価指数(CPI)と9月米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨公開を控えている。足元では、BTCと米期待インフレが連動しているが、FRBによる政策引き締めも着々と迫るなか、CPIが市場予想を上回れば11月のテーパリング決定は逃れられないという懸念も生まれよう。
ただ、こうしたタイミングでシカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物の取組高が増加していたり、Coinsharesが継続的な機関投資家マネーの流入を指摘したりと、機関投資家の一部は高インフレがある程度の期間継続することを想定していると考えられ、CPIが予想以上となり過剰流動性相場の逆流懸念が加速しようとも、BTCは押し目で買い支えられやすいか。事実、11月のテーパリング決定が濃厚となった9月のFOMCを通過してもBTC相場が上値を伸ばしているのは、期待インフレの上昇などがあったからと言える。
予てから58,000ドル(≒657.7万円)を上値目途として挙げてきたが、相場はジリジリと水準を上げながら揉み合いでエネルギーを溜めており、上放れの際は60,000ドル(≒680万円)乗せも視野に入る。勿論、短期では調整が続くシナリオも視野に入るが、足元のボックス相場下限となる54,000ドル周辺は相応に強いサポートとなると見ている。





PDFリンク
bitbank Report 2021/10/13:5.8万ドル目前で反落も底堅く 今夜のインフレ指標でどう動くか?










.jpg&w=3840&q=70)

.jpg&w=3840&q=70)