高値を維持したビットコイン CMEの先物取組高(OI)急反発
先週(4日〜10日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比794,846円(14.86%)高の6,142,294円と2週続伸し、5ヶ月ぶりに600万円を上回り終値を付けた。対ドルでは、54,000ドル台後半を回復している。
米国の期待インフレ(BEI)上昇やビットコイン上場投資信託(ETF)の承認期待が高まる中、8日金曜日のBTC相場は620万円台後半に乗せ、対ドルでは56,000ドルにタッチした。しかし、この日の夜の米雇用統計発表を控え警戒感もあったか、相場はその後反落。雇用統計は市場予想が50万人前後の非農業部門雇用者数の増加に対し、わずか19.4万人との結果になり、景気回復への懸念が株価の重石となると、BTCは620万円を割り込み604万円(≒54,000ドル)周辺まで下落した。
一方、この日は米10年物BEIが2.5%台、5年物が2.6%台中盤まで上昇したこともあり、その後のBTC相場は54,000ドル周辺で底堅さを印象付ける推移に転じ、翌9日からは徐々に戻りを試す展開。今朝方には、シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物取引開始と共に荒い値動きを演じる場面もあったが、相場は高値圏で徐々に安値を切り上げている。

予想外に大幅下振れとなった雇用統計の月間労働者数増加だったが、失業率は5.2%から4.8%に改善した。こうした結果を受け、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が11月にテーパリングを決定する規定コースに変わりはないとの見方が大勢となっているが、インフレ及びスタグフレーション懸念が燻る中、BTCは脚光を浴び始めている模様だ。
先週にはCoinsharesが機関投資家マネーの流入再開をレポートで指摘し、JPモルガンが機関投資家の多くは金よりBTCに着目していると明かすなど、5月の相場急落で一部では「消失する」とまで指摘された機関投資家需要の回復が確認される。さらに、CMEのBTC先物市場における取組高(OI)も先週火曜日時点で急反発を見せており、市場に新たなマネーフローがあったことを示唆している。
予想外のリスクオフを誘発した雇用統計だったが、BTCは値動きの面では想定通り無難な推移となった。上述の機関投資家マネー流入に加え、期待インフレの上昇やハッシュレートの堅調推移など、相場を支えられやすい環境は続いていると指摘され、今週も引き続き58,000ドルを目指す展開を想定している。





PDFリンク
bitbank Report 2021/10/11:高値を維持したビットコイン CMEの先物取組高(OI)急反発










.jpg&w=3840&q=70)

.jpg&w=3840&q=70)