ビットコイン200日線を回復 株価軟調な中続伸できるか?
19日のビットコイン(BTC)対円相場は201,218円(4.09%)高の5,119,999円と上昇し、心理的節目の500万円と200日移動平均線(497.4万円)を回復。一方で、史上最高値(705.5万円)から5月安値(330万円)までの下落の半値戻し水準にあたる517.7万円には僅かに届かなかった。
Liquid Globalの傘下で本邦に拠点を置く取引所QUOINEのMPCウォレットがハッキングに見舞われ、80億円相当の顧客資産の不正流出が発覚したことを切っ掛けに、東京時間のこの日のBTC相場は上値を重くし、490万円台の維持に失敗。一方、その後は節目44,000ドル(≒485万円)で押し目買いが入り下げ止まると、大幅に安寄りした米主要3指数の上昇に連れてBTCも反転上昇。その後は、ウェルズファーゴのパッシブBTCファンドのローンチや、JPモルガンもパッシブBTCファンド組成を米証券取引委員会に申請したことも上昇の後押しとなり、510万円台を回復。また、今朝方には米coinbaseのブライアン・アームストロングCEOが、同社取締役会から5億ドル(≒550億円)の仮想通貨購入の承諾を得たと発表し、相場は上値を試している。

米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、「会合参加者のほとんど」が年内の資産購入額縮小(テーパリング)開始支持だったことが明らかとなり、米株は反落しドル高が進行したが、仮想通貨市場の反応は想定通り限定的だった。議事要旨では「何人かの参加者」がFOMCの掲げる完全雇用と物価安定の目標達成度に懐疑的な姿勢を示し、来年のテーパリング開始が適切としており、パウエル議長同様に慎重姿勢の参加者も少なからずいることも示された。
来週26日〜28日には、世界の中央銀行関係者が集う年次経済シンポジウムが米ワイオミング州・ジャクソンホールで開催され、パウエル議長の基調講演が注目されるが、議事要旨の内容を鑑みるに年内にテーパリングを開始するとのアナウンスはまだされないと考えられる。FOMC内で意見の隔たりがあることも一つ挙げられるが、議事要旨では、FOMCの調査で約60%の市場関係者が来年1月のテーパリング開始を予想していることがわかっており、市場への慎重な配慮をするとすればもう少し年内のテーパリング開始を市場に織り込ませる猶予を与えるかと指摘される。
BTCの対円相場は再びチャートやテクニカル的な節目が密集するエリアに戻した。史上最高値(705.5万円)から5月安値(330万円)までの下落の半値戻し水準(517.7万円)を終値で明確に上抜けできれば、その上には直近高値圏のレンジ上限526.1万円や50,000ドル水準(≒549万円)が上値目途としてあるが、テーパリング懸念やデルタ株蔓延にたじろぐ株式市場を尻目にBTCはとんとん拍子で続伸できるか。テクニカル的な過熱感の後退から上値余地は残されていると見ているが、節目50,000ドルは相応に強いレジスタンスになると見ている。また、ジャクソンホールが迫るにつれ市場の様子見ムードが濃くなることも予想されることから、来週にかけて市場が慎重姿勢になりやすいだろう。





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bitbank Report 20221/08/20:ビットコイン200日線を回復 株価軟調な中続伸できるか?










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