迫るビットコインの難易度調整 相場は-2シグマを割るか守るか
15日のビットコイン(BTC)対円相場は107,872円(2.99%)安と4日続落し、終値は先月26日ぶりに節目の360万円を割り込み3,502,378円となった。Wisdom Treeのビットコイン上場投資信託(ETF)承認判断が延期されたことや、日経平均株価の下落を受け、東京時間のこの日の相場は33,000ドル(≒363万円)絡みで反落し、360万円を割り込んだ。欧州時間には、イタリアの証券取引規制当局がバイナンスに対して国内サービスを提供する権限がないと警告を発したことが嫌気され、350万円まで一段安。米時間に入ると株価の下落がさらに相場の重石となり、一時、343万円まで安値を広げたが、引けにかけて米株が戻すと、ビットコインも切り返し米時間の下げ幅をほぼ掻き消した。

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、直近二日間で行われた上下両院での証言で、量的緩和の段階的縮小(テーパリング)開始に必要な「一段と顕著な進展」はほど遠いとした他、予想以上に物価上昇率が高くなっていると不快感を垣間見せながらも、一時的な要因が背景として性急な政策引き締めは行わないスタンスを改めて示した。証言は全体的にハト派な内容となったものの、米主要3指数が過去最高値圏で失速する中、ビットコインは上値の重さを拭いきれなかった。
また、ビットコインのネットワークセキュリティ指標ともなるハッシュレートは、14日に120 Ehash/sに戻していたが、昨日は90 Ehash/sまで急低下していた。6月末でハッシュレートは底入れの様相を呈しているが、その後の回復ペースは今一つとなっている。
しかし、二日後には再びマイニング難易度(ディフィカルティ)の調整が予定されており、BTC.comによると6.84%程度の易化(低下)が試算されている。ディフィカルティが低下することでマイニング損益分岐点も低下し、これがハッシュレートの回復ペース向上に寄与するか期待される。
ビットコインの対円相場は、テクニカル的にレンジ継続か下降トレンド開始の瀬戸際にあると言える。昨日の下落で相場はボリンジャーバンドの-2σ(シグマ)にタッチしており、バンド幅の拡大を伴って同水準を割り込めば、下降バンドウォークが始まる可能性がある。-2σを死守できれば、センターライン(374万円)や+2σ(400万円)が上値目途となるが、目先では-2σを意識した値動きに注意したい。





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bitbank Report 2021/07/16:迫るビットコインの難易度調整 相場は-2シグマを割るか守るか










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