雲南省もマイニング禁止濃厚 マスク氏ツイートでも上値限定的か
先週(7日〜13日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比348,174円(8.86%)高の4,279,132円と3週続伸し、5月の相場急落以降、初めて週足終値で心理的節目の400万円を回復した。ただ、相場は依然として安値圏でのレンジ(330万円〜460万円)から抜け出せずにいる。
トランプ前米大統領のビットコインに対するネガティブ発言で先週は週明けより安値を広げ、340万円にタッチしたビットコインだったが、9日にエルサルバドルでビットコインを法定通貨に指定する法案が議会で可決されたことが追い風となり反発。10日にはバーゼル銀行監督委員会が、銀行による暗号資産(仮想通貨)保有に自己資本比率の目安を提案したことが好感され、420万円を回復した。
一方、その後はアルトコインやコインベース株の下落に連れて失速。11日には1時間足の200本移動平均線が走る397万円周辺の水準が相場のサポートとなるも、12日にインド最大級の仮想通貨取引所ワジールXがマネロンの操作を受けているという報が相場の重石となり反落し、週末は概ね35,000ドル(≒380万円)割れを試す展開となった。しかし、今朝方にイーロン・マスク氏が、テスラによるビットコイン決済受け入れ再開の条件をツイートすると、相場は反発し、一時は430万円を回復した。

ビットコインの採掘難易度(ディフィカルティ)は、13日に5.44%低下した。主要な中華系マイニングハブが次々とマイナーの締め出しに動く中、ハッシュレートは先週、およそ1ヶ月ぶりに110 Ehash/Sまで低下していたが、ディフィカルティの下方調整の影響でハッシュレートは、足元、上向き始めている。
尚、これまで方針が明らかになっていなかった雲南省におけるマイニングについても、現地メディアのThe Paperによれば、雲南省は6月末までに仮想通貨マイニング業者を一掃する旨を現地業者に通達した模様だ。四川省と雲南省からは公式の発表が確認されないが、これによりほぼ全ての中華系マイニングハブが停止の方向に動くことが濃厚になったと言えるが、依然、雲南省は6月末、四川省は9月まで猶予を設けられているため、この先もハッシュレートの散発的な低下には注意したい。
マスク氏は、ビットコインマイニングに利用されるエネルギーの約50%が再生可能エネルギーとなり、こうしたトレンドが継続することが確認されればテスラのビットコイン決済を再開するということで、受け入れ再開をマスク氏が意識していることが明らかになったことについてはポジティブだが、本件は継続的な資金流入を誘う材料かと言われれば、一時的な市場の反応にすぎないと指摘される。ハッシュレートの安定推移が確認されていない上、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、ビットコイン相場がレンジ上限の43,000ドル(≒472万円)を上抜けできる公算は低いと見ている。





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bitbank Report 2021/06/14:雲南省もマイニング禁止濃厚 マスク氏ツイートでも上値限定的か










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