動意に欠けるBTC 規制、指標、テクニカルの注目ポイントは?
27日のビットコイン(BTC)対円相場は62,453円(1.45%)安の4,239,935円。直近3日間の相場は40,000ドル(≒440万円)を巡りやや動意に欠ける展開となっており、底は堅い一方で200日移動平均線絡みで上値を抑えられている。
東京時間のビットコインは、ポジション調整的な売りが入り430万円から下落したが、中国国家エネルギー管理局が四川省でのマイニングを停止した際の影響を調査分析するためのシンポジウムを6月2日に開催するとの情報が流れ、中国で高いハッシュレートのシェアを有する四川省が一方的なマイニング規制命令を出さなかったことが好感され、405万円で下げ止まり切り返した。米時間には、新規失業保険申請件数が4週連続で減少したことや、バイデン政権が本日発表予定の2020年予算教書で6兆ドルの歳出を計画しているとNYタイムズが報道したことが追い風となり、ビットコインはこの日のプラス圏に浮上し440万円に乗せた。一方、米株がこの日の高値から失速するとビットコインもつられるように失速。未明にはマイナス圏に押し戻され、40,000ドル水準の維持に失敗した。
ビットコインのハッシュレートは引き続き150Ehash/s周辺でほぼ横ばいとなっており、中華系マイナーの国外への大移動はまだ始まっていないようだ。四川省の判断についても、来月2日まで猶予が残された形となり、それまではマイニング関連の悪材料もそれほど出ないかと指摘される。ただ、今週はもう少し相場が戻す余地があると予想していたが、終値ベースで200日移動平均線の回復には至っておらず、市場からは規制動向を巡り様子見ムードがうかがえる。
今夜は4月の米個人消費支出(PCE)の発表が控えており、これが切っ掛けで保ち合い放れとなる可能性が高いだろう。特に、4月の消費者物価指数のように市場の予想を遥かに上回る結果となれば、政策正常化前倒し観測が強まりリスクオフが起きビットコインも短期的に影響を受ける恐れがある。また、本日は週末、月末、そして米国の3連休前の金曜日となっており、東京時間の流れが米時間にガラッと変わる可能性もあるので注意したい。
ビットコインの4時間足や12時間足のボリンジャーバンドがスクイーズ(バンド幅の収縮)していることに鑑みるに、テクニカル的にもトレンドが始まる兆候が示されていると言え、高いボラティリティを伴った保ち合いのブレイクに構えておく必要があるだろう。上値目途としては43,000ドル水準となる473万円やボリンジャーセンターラインの480万円周辺がある。保ち合い下方ブレイクの場合、23日安値の339万円まで強く押してもおかしくなさそうだ。
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bitbank Report 2021/05/28:動意に欠けるBTC 規制、指標、テクニカルの注目ポイントは?