底堅くも危ういビットコイン 正念場を支える三つのサポート
10日のビットコイン(BTC)対円相場は37,812円(1.95%)安の1,898,637円と反落。相場は終値ベースで前日の上げ幅を解消する値動きとなった。
この日の相場はNY市場時間に入るまで一貫して上値の重い展開が続き、一時は対ドルで心理的節目の18,000ドル(≒187万円)を割り込む場面があった。相場は8日の下落で短期的には保ち合い下放れとなっており、18,500ドル周辺(≒193万円)で戻り売りが入った格好だ。
一方、昨日は欧州中央銀行(ECB)がコロナ感染第2波に応じる追加金融緩和を打ち出したこともあり、相場はNY時間序盤から反発。その後、協議が続く米追加経済対策案を巡って、ペロシ下院議長とムニューシン財務長官が揃って前向きな発言をしたことや、米保険会社マスミューチュアルがBTCに投資したという報道も相場の後押しとなり、節目の18,400ドル(≒192万円)まで戻した。

ECBが追加の金融緩和を打ち出したことで、来週(15日〜16日)の米連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備理事会(FRB)がこれに同調するか注目される。11月の時点で、経済情勢によっては国債買い入れペースの拡大などを検討していたことがわかったが、11月分の雇用統計や昨日発表の新規失業保険申請件数は、労働市場の回復ペース鈍化を示唆しており、FRBもコロナ感染第2波への追加対応策を打ち出す可能性もあるか。
ただ、来週までに相場が足元の売り圧力にどこまで耐えられるかも気になる。相場は既に今週の下値目途として挙げた18,000ドル水準の187万円割れをうかがいつつも、34日移動平均線、一目均衡表基準線、ボリンジャーバンド-1σのテクニカル的なサポートで反発し、終値ではなんとか同水準を守ってきている(第2図)。しかし、これらの水準を明確に割り込むとテクニカル的な売りが一気に加速し安値を広げる展開も視野に入るため、足元は正念場と言えよう。
「来週まで我慢の展開」と比較的底堅いシナリオを想定していたが、「来週」を迎えるまでにもう一段安となる展開に警戒しておきたい。






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bitbank Report 2020/12/11:底堅くも危ういビットコイン 正念場を支える三つのサポート










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