アルトターンとドレインで仮想通貨市場は活況 BTC対ドルはATH目前
24日のビットコイン(BTC)対円相場は35,224円(1.87%)高の1,916,001円と3日ぶりに終値で190万円台を奪回。対ドルでは、2017年12月18日ぶりに19,000ドル台に乗せ年初来高値を更新し、いよいよ過去最高値(All Time High: ATH)の19,891ドル目前の水準に終値をつけた。
週末21日から始まったアルトターン(BTC相場上昇後にアルトコインに資金が流れる現象)の影響で、昨日の東京時間のBTC相場は190万円を挟み込む展開。この日は朝方にフレア・ネットワークがXRP保有者に対するスパークトークンの分配に関する詳細をブログで公開した影響で、XRP相場が急進。XRPは一時15.41円(25.06%)高くなり、およそ2年半ぶりの高値に浮上。この上昇が他のアルトコイン相場を先導した一方、BTCは上値を重くし欧州時間序盤には荒い値動きで186万円割れをうかがった。
一方、その後のアルトコイン相場はXRPの反動安による急落で軒並み反落。これに合わせて今度はアルトドレイン(アルトコインからBTCに資金が流れる現象)が起き、BTC相場はNY時間に一時194万円台に乗せたが、アルトコイン相場が下げ止まり徐々に戻し始めると、再び上値を重くし上げ幅を縮小した。
アルトターンとドレインが一日で入れ替わる形となり、昨日の世界の出来高は14兆6,896億円と前日比で37%増加し、暗号資産(仮想通貨)市場は活況となった(第3表)。短期間でやや上げ過ぎのアルトコインも目立つが、主要アルトコインはこの先も注目材料がある。
フレア・ネットワークのXRP保有者に対するスパークトークン分配は来月12日となっているため、XRPにはそれまで需要が見込める。また、イーサリアムは昨日、イーサリアム2.0のビーコンチェーンを発動させるのに必要なETHをスマートコントラクト内に確保し、12月1日のローンチを確実とした。さらに、足元では時価総額が比較的低いアルトコイン銘柄にも買いが入り始めており、市場内での資金の循環が広く波及し始めていると指摘される。
BTCの対円相場は、引き続き上昇バンドウォークを維持している。週末にはアルトターンの影響で一時1σを割り込む場面もあったが、終値ベースでは同水準を維持した。この先は相場が1σから反発し2σの走る200万円を目指せるかが焦点となろう。
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bitbank Report 2020/11/25:アルトターンとドレインで仮想通貨市場は活況 BTC対ドルはATH目前