ライトコインに救われたビットコイン 昨日の寄引同時線はどう見る?
19日のビットコイン(BTC)対円相場は504円(0.03%)高の1,850,505円とほぼ横ばい。前日は東京時間に190万円台に乗せ年初来高値を更新した後、出来高を伴って急反落し180万円割れをうかがう場面もあったが、安値を拾う動きは根強く、乱高下しながらも終値で185万円を守っていた。
前日のBTC相場乱高下を受けて昨日は市場に買い控えムードが広がり、欧州時間序盤までにBTC相場は181万円までジリジリと押す展開となったが、ライトコイン(LTC)相場が急反発するとBTCも連れて上昇し、NY時間序盤にはこの日のプラス圏に浮上し188万円にタッチ。ライトコインは、時価総額でビットコインキャッシュ(BCC・BCH)を追い抜いたことが買いを呼び込む切っ掛けとなっている模様だ。しかし、その後のBTCは買いが続かず再びジリ安となると、今朝方の米指数先物の反落に追随する形でやや下げ足を速め、前日終値を一時割り込む場面もあったが、184万円の押し目で反発し昨日の日足は始値と終値がほぼ同じ価格の「寄引同時線」となった。
週明けから週央にかけて上値を追う展開となっていたBTC相場だが、18日に大口と思われる利食いが入ったことで、昨日は少し冷静さを取り戻したような印象だ。前回指摘の通り、17日にボリンジャーバンドの2σにタッチした相場は、足元、上値を抑えられているが、対ドルでは安値を切り上げながら揉み合いとなっており、底堅さもうかがえる。
今週は、米大統領選のいざこざの最中で中断されていた追加経済対策協議が再開する見通しとなった。協議の進展を巡って市場がやや振り回されることも想定されるが、ひとまずはBTCにとってもプラスか。尤も、このところの暗号資産(仮想通貨)市場では買いが順回転しており、BTCは短期的な株や外為市場動向の影響をそれほど強く受けないことも多々ある。昨日もアルトコインは高安まちまちとなっており、上昇についてこれていない銘柄は割安感から買いが入る余地がありそうだ。
上述の寄引同時線は高値圏で出現すると反転の可能性を示唆するのだが、対ドルで相場が過去最高値を見据える動きとなる中、17,200ドル(≒180万円)周辺では強い買い支えが入っており、目線の切り替えは同水準を割ってからでも遅くないか。
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bitbank Report 2020/11/20:ライトコインに救われたビットコイン 昨日の寄引同時線はどう見る?