BTCは9月暴落前水準を奪回 アルト安を目尻に独歩高

20日のビットコイン(BTC)対円相場は、19,934円(1.61%)高の1,257,508円と4日続伸。イーサリアム(ETH:2.33%安)やビットコインキャッシュ(BCC:3.52%安)といった通常は相関関係の強い主要アルトコインが弱含む中、この日のBTCは独歩高となり、相場は先週からのレンジ上放れに成功し(第2図)、9月初旬にETH反動安とBCC分裂危機の顕在化で暴落する前の水準を奪回した。一方、XRP、ETH、BCC、LTCの対円は、足元、9月の下落から半値戻し水準も回復できていない。
東京時間のこの日の相場は、概ね123万円台後半で底堅く推移。欧州時間に入りドルが下げ足を速めると、BTCは上値模索に転じ125万円台に乗せた。その後、バイナンスがアクセス障害を発表すると上げ幅を消化する場面もみられたが、間も無く復旧がアナウンスされ復調。NY時間には対ドルで9月1日ぶりに12,000ドル台(≒126.5万円)に乗せた。足元では目標達成間から、若干、利食い売りに押され、125万円台後半で推移している。


週明けに示した懸念とは裏腹に、外為市場ではユーロがドルに対し上昇しており、BTCには追い風が吹く市況となった。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る通商交渉の再開や米経済対策案協議に実質的な進展は見られないものの、後者に関しては、ペロシ米下院議長のスポークスパーソンが、ムニューシン米財務長官とペロシ氏が妥協点の模索に真剣に取り組んでおり、協議は21日も続くと発表した。引き続き共和党が過半数を占める上院で大規模な追加経済対策が通過する見通しは明るくないが、市場は11月の選挙で民主党の圧勝を見越しているようだ。
それにしても、これだけアルトコインが幅広く売られる中、昨日のBTC相場は異様なほどの腰の強さを見せつけた。直近では、ハッシュレートの7日移動平均が過去最高値を更新したことや米企業によるBTC購入といった材料がある他、先週はシカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物の未決済建玉が急増していたこともあり、需給の安定や資金流入が意識された格好か。やや過熱感も出始めているが、「行き過ぎもまた相場」であり、もう少し上値余地がありそうだ。





