ユーロ高再開でBTC相場は戻り基調 来週のイベントにも期待増
10日のビットコイン(BTC)対円相場は13,299円(1.22%)高の1,100,299円と、2日続伸。前日9日からの一部アルトコイン相場の反発とドル安ユーロ高基調が支援となり、BTC相場は対ドルで心理的節目の10,000ドル水準となる106万円から切り返し、徐々に値を戻す展開となっている。今月に入って欧州中央銀行(ECB)関係者からユーロ高を懸念する声もあがっていたが、ラガルドECB総裁は昨日の定例理事会後の会見で、為替レートを注意深く監視するとしながらも特定の目標(ターゲット)を掲げない従来のスタンスを強調。ユーロ高に対する施策が打診されなかったことがユーロ買いを加速させると、金相場も上昇し、昨日のBTCは8日高値(111万円)を更新したが、その後のNY時間で戻り売りが入り上げ幅を縮小した。
ECB定例理事会を無事に通過したことで、BTC相場は想定通り戻り基調につけたが、終値でのレンジ上抜けとはならなかった。ただ、ECBは昨日、政策金利の据置きと1.35兆ユーロ(≒170兆円)規模のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の維持したことから、米連邦準備制度理事会(FRB)も来週のFOMCで同様に緩和的な政策を維持するとの期待は持てるだろう。加えて、昨日はイーサリアム(ETH)が6日高値(38,499円)を終値で更新しレンジ上限上抜けに成功しており(第2図)、BTCを含め時価総額上位の暗号資産(仮想通貨)にも物色買いが回ってくる余地がありそうだ。
依然として相場ははっきりとした方向感を示せずにいるが、10,000ドル周辺でじっくりと底を確認している状況と見ている。テクニカルの側面では、週明けに指摘した通り、弱気のチャート構造が概ね維持されているが、相場は89日線やボリンジャーバンド-1σの回復目前となっており、足元の水準で粘り腰を発揮できれば底入れが一層意識されよう。
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bitbank Report 2020/09/11:ユーロ高再開でBTC相場は戻り基調 来週のイベントにも期待増