BTC急落も先物の過熱感は健在 ETF承認に向けた動きも
1月3日のビットコイン(BTC)対円は急反落を演じた。米国での現物ビットコイン上場投資信託(ETF)早期承認期待を背景に年始から上値を伸ばす展開となっていたBTCだったが、リサーチ会社のマトリックスポートが「米証券取引委員会(SEC)は1月に現物ビットコインETFを承認しない」と指摘すると、ロングの投げを伴って相場は640万円周辺から590万円まで急落した。一方、この日はETFを上場する予定のナスダック、シカゴ・オプション取引所(Cboe)、NY証券取引所がSECと会合を開いたと伝わると、ブルームバーグのアナリストが「(ETFを)否認か判断延期をするならこのタイミングで(SECは)そんなことはしない」と指摘。すると相場は切り返したが、43,000ドル水準(≒616.5万円)で上値を抑えられている。
相場急落に伴いロングポジションの解消が進み、BTCの無期限先物市場では一時的に資金調達率(fr)がマイナスに振れた一方、その後は押し目買いが入りfrは0.3%を超え、極度の過熱感が窺える。とは言え、年始の相場上昇から鑑みるに、ETFの承認期待は引き続き相場の支えとなっており、ブラックロックがJPモルガンを指定参加者(AP)に任命したことや、CboeがフィデリティのETFの上場登録を受理したことなど、各社がローンチに向けた準備を進めており、本日のBTCは反動高が期待される。10日にはアークと21シェアーズが共同で申請している現物ビットコインETFの最終判断期限を迎えることとなっており、SECが決定を下すまでBTCは底堅い推移が続くか。ただ、ETF承認は相応に織り込まれていると言え、承認された場合は事実確定売りに注意したい。
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bitbank Report 2024/01/04:BTC急落も先物の過熱感は健在 ETF承認に向けた動きも