800万円タッチもロングポジションの偏りが影響し上値重い状況に
今週の値動き
- 今週のビットコインは2月19日の781万円から取引が始まりました。今週は一時800万円の高値にタッチする場面もありましたが、買いが続かず、上値も重い展開となりました。相場は765万円の安値では買い戻しも入っていますが、このラインを割り込むと短期的なトレンド展開に警戒が必要です。現在の1時間足は24時間移動平均線(24EMA)を上回っていますが、週足では小幅にマイナスとなっています。今週はほぼレンジの推移となっており、短期では方向感に乏しい相場となっています。来週以降は今週のレンジをどちらに抜けるか注目です。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。今週は高値圏の780万円台で推移していた際に0.02%を超える水準で推移していました。このロングポジションへの偏りが値動きの上値を抑えたものと考えられます。現在は価格が小幅に下落したため、FRは0.012%程度で推移しています。
2.ロング・ショート清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、価格の下落時に約1500万ドルの清算が発生しました。高値から4%近く下落した際の清算でしたが、清算額としてはさほど大きなものではありませんでした。デリバティブ市場ではロングポジションへの偏りが見られ、今後も価格が下落した際は、ロングポジションの清算を伴い大きな下落になる可能性があります。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は緩やかに拡大傾向にあります。ここ2週間では5%近く上昇しています。現在は14%台で推移しており、ここ1ヶ月間で最も高い水準となっています。無期限先物取引同様にロングポジションへの偏りが見られます。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は今週も下落傾向が継続しています。引き続き現物が取引所から引き出されており、市場の供給量は枯渇傾向にあります。相場が上昇した際は、売りが少なくなることが予想され、上昇しやすいと考えられます。今年は半減期もあるため、4月以降の市場ではさらに供給不足になる可能性があります。
まとめ
- 今週のビットコインはほぼレンジの推移となり、短期の方向感が弱い状況です。デリバティブ市場ではロングポジションへの偏りが確認されており、価格が下落した際は値幅が大きくなる可能性を示唆しています。取引所からは現物が継続的に流出しており、需給の状況はさほど悪くはありません。今週の上値の重さはロングポジションの偏りが影響していると考えられ、短期のハイレバのロングポジションが狩られると再度高値を試す動きも想定されます。押す動きを待って買い入れポイントを探るトレードが良策か。