7月最終週は売り一辺倒の相場となる、日銀の金融政策変更による悪影響も懸念
今週の値動き
- 今週のビットコインは7月24日の426万から取引が始まりました。相場は週始めから売られる展開となり、火曜日には410万円まで下落しました。週中は410万円がサポートになりレンジで推移していましたが、上値が重い展開が続き、木曜日にはサポートであった410万円を割り込みました。価格は現在も24時間移動平均線(24EMA)を下回り弱い値動きとなっています。本日は、日銀の金融政策発表がありイールドカーブコントロール(YCC)の修正が行われ、10年債金利の上限を1%程度まで許容する事実上の利上げとなりました。金融政策変更により外国為替相場では円高圧力がかかるとみられ、ビットコインの対円相場にも下落圧力がかかる可能性があります。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。ロングポジションの割合が高いことを示唆しています。現在は0.004%で推移しています。今週は価格が下落した一方、FRはプラスを維持しロングポジションの比率の高さも保たれています。
2.ロング・ショート清算
- 今週のロングポジションとショートポジションの清算推移は、ロング側で大きな清算が発生しました。425万円から415万円近辺まで価格が下落した際に2500万ドルを超える清算が発生しました。ここ1月間で3番目に高い水準の清算額となりました。
3.先物価格乖離(3ヶ月)
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は、足元で縮小傾向にありますがまだ高い水準を維持しています。現在は5.1%程度で推移しています。現在の乖離率の水準は今年の最高値圏となっており、投機筋の買い需要が強いことを示しています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量はここ2ヶ月間ほど減少傾向が続いていましたが、足元では横ばいから増加の兆しがみられます。これまでは取引所保有BTCが減少していたことでユーザーの売り圧力が減退し、ここ1ヶ月間ほど底堅い相場となっていました。一方、取引所保有BTCは現在、ここ2週間で最も高い水準にあり今後は売り圧力が増加する可能性があります。
まとめ
- 今週のビットコインは売り一辺倒の相場となりました。金曜日時点の週次で-4.4%の下落となっており、ここ1ヶ月間で最もマイナス幅が大きくなっています。デリバティブ市場では投機筋のロングポジション比率が高い状態が維持されており、今後も上値の重しとなるでしょう。また、本日発表された日銀の金融政策変更によりビットコイン対円には下落圧力がかかると予想されます。相場全体として弱気なシグナルが多い状況です。