相場は過去最高値1126万円記録、5月時点と比べると投機熱は限定的
今週の値動き
- 今週のビットコインは10月28日の1037万円から取引が始まりました。今週は週前半に買いが強い状況となり、上昇しました。価格は火曜日に過去最高値を記録し、1126万円を付けました。一方、高値を記録した後は上昇の一服感から上値が重くなり、利確売りに押される展開となりました。現在は1060万円台で取引されています。価格は24時間移動平均線(24EMA)を下回っており、週後半は弱い値動きとなっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
出所:glassnode.comより作成 1時間足
- ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元で安定的にプラスで推移しています。2週間ほど前からプラスとなっており、短期のロングポジションが積み増されています。今週1100万円を超えたタイミングではFRが0.15%を超えてきました。週後半にかけて相場が下落したため、FRは小幅に低下し、現在は0.11%程度で推移しています。
2.ロング・ショート清算推移
出所:glassnode.comより作成 1時間足
- 今週は相場が最高値を更新した価格帯で大きなショートポジションの清算が発生しました。清算額としては4800万ドルを記録し、約3ヶ月ぶりの高い水準となりました。大きなショートポジションの清算が発生したことにより、週後半では利確売りが出ました。
3.3ヶ月先の先物取引価格乖離率
出所:glassnode.comより作成 1時間足
- 今週は3ヶ月先の先物取引価格と現物価格乖離率は、一時12%程度まで上昇しました。長期的なロングポジションも買われ始めています。週後半に相場が下落したため、足元では11%を僅かに下回る水準で推移しています。今年5月に価格は現在と同水準で推移していましたが、乖離率は21%を記録しており、現在より投機熱が強い状況でした。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
出所:glassnode.comより作成 1時間足
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で小幅ながら減少傾向が続いています。一方、最高値を付けた辺りから小幅に同指標は上昇しています。上昇の達成感から利益を確定するために現物が取引所へ送られたようです。今後も同指標の低下傾向が続くか注視が必要でしょう。
2.マイナーネットポジション変化
出所:glassnode.comより作成 日足
- 同指標は、マイナー・アドレスの現物の増減を示したものとなります。マイナーネットポジションは先週からプラスで推移し、現物が積み増しされていましたが、週後半からマイナに転じています。相場の高値圏でマイニングの稼働資金確保のため、一部の現物を売却し、現金化の動きがあったと考えられます。
まとめ
- 今週のビットコインは過去最高値を記録し強い相場となりました。一方現在は高値から下落し、週次のプラスも2%ほどまで縮小しています。週足がプラスとなるか金曜日の値動きが重要になります。デリバティブ市場ではロングポジションの増加が確認されていますが、今年5月と比べると投機熱が低下しており、相場の上値を追う余地はあると考えられます。オンチェーンデータでは、大口の利確売りが入っており、短期的な売りをこなすことができれば、再度高値を試す展開となるでしょう。