ロングの大量清算により入ればポジションが一掃される、下落相場も需給面は改善傾向

今週の値動き

- 今週のビットコインは2月3日の1523万円から取引が始まりました。今週は先週末の下落の流れが継続し、週明け早々にここ3週間の安値を更新しました。一方、価格は月曜日のアメリカ時間に反発しプラス圏を回復しました。価格は1450万円の安値から一時1592万円まで上昇しました。安値圏では強い買い戻しが見られました。週中は上値が重い動きとなり、徐々に安値を再度試す動きとなっています。現在の1時間足は24時間移動平均線(24EMA)近辺で推移しています。現在は1481万円で取引されています。今週は外国為替相場でドル円が下落し、円高が意識されているためビットコインの対円にも下落圧力の影響がありました。短期的には下落方向への動きが強い状況ですが、週初めのような反発を待ちたいところです。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
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ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移していますが、価格の下落時にはマイナスとなる場面もありました。一時は-0.004%まで下落しており、ショートポジションの比率が上がりました。現在はプラスとなっている一方、0.01%を下回っており、ロングポジションに強く偏っている状況ではありません。
2.ロング・ショート清算推移
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- 今週は価格が1450万円近辺まで下落した際に9400万ドルのロングポジションが清算されました。1億ドルに迫るほどの大きな清算となり、ここ6ヶ月間で最も大きな清算となりました。7000万ドルを超える清算は、ここ6ヶ月間に3度あり、いずれも清算後の反発につながっています。
3.3ヶ月先の先物取引
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- 3ヶ月先の先物取引価格と現物価格の乖離率は現在9%台で推移しています。3ヶ月前に価格が7万ドル近辺で推移していた際と乖離率は同水準となります。今週は多くのトレーダーが先物取引のロングポジションを解消したと見られ、投機熱は後退しています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
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- 取引所が保有するBTCの数量は引き続き減少傾向です。昨日も下落する動きが見られ、ユーザーが取引所から現物BTCを引き出しています。上昇相場の最終局面においては、取引所保有BTCが上昇し売り圧力が高まる傾向がありますが、現在はそのような状況にはありません。長期ではまだ底堅い相場が継続することを示唆しています。
2.含み益アドレス割合
- 同指標は、マイナーアドレスのビットコインの増減値を表したものとなります。今数は減少していますが、まだプラスで推移しています。マイナーからの売り圧力はさほど強くないと考えられます。この指標がプラスで推移している間は、相場が大きく崩れる可能性は低いと考えられます。
まとめ
- 今週のビットコインはここ3ヶ月間の安値圏となる1450万円を記録しましたが、強い反発も見られました。1400万円台前半は買い戻しポイントとして強く意識されています。デイリーのFRは昨年9月以来となるマイナスも記録しており、投機筋のハイレバのロングポジションが一層されたと考えられます。3ヶ月先の先物取引価格も下落傾向となり、需給面は改善しています。オンチェーンデータでは売り圧力の増加は見られず、足元の相場は上値が重い一方で大きく崩れることは想定しづらい状況です。今週は相場が安値を試した後に強い反発を見せるチャートが形成され、トレンドの反転パターンが見られました。もう一段安のリスクはあるものの、1400万円台前半は買い戻される可能性が高いでしょう。