ビットコイン価格は1200万円台に近づく、取引所からは現物が大きく減少
今週の値動き
- 今週のビットコインは11月4日の1018万円から取引が始まりました。週始めは、先週からの上値の重い流れが継続し下落しました。一方、火曜日になると買い戻しが入るようになり、水曜日に大統領選の結果が市場に伝わると相場は一気に上昇しました。大統領選前の買い控えの反動から、金融市場全体が買われ、ビットコインは高値を追う動きに発展しました。木曜日には1177万円を記録し、1200万円タッチが見えてきました。価格は現在1160万円台で推移し24時間移動平均線(24EMA)を超え、底堅い動きが継続しています。来週以降も上値を伺う展開を期待させるチャートとなっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元で急騰する動きも見られました。1150万円を付けた際に一時0.02%を超える水準を記録しました。一時的にロングポジションの比率が上昇したことでFRも高値を付けました。ここ3ヶ月間で最も高い値となりました。一方、FRの上昇は一時的で現在は0.01%近辺まで戻し、強い過熱感は見られません。
2.ロング・ショート清算推移
- 今週は価格が上昇した際のショートポジションの清算は、デイリーで1億4500万ドルを記録しました。清算額としては今年2月以来の高さとなりました。先週過去最高値を付けた時よりも大きな清算が発生しました。この動きによりFRは一時的にプラスへ触れる動きとなりました。
3.3ヶ月先の先物取引価格乖離率
- 3ヶ月先の先物取引価格と現物価格の乖離率は足元で大きく上昇しています。現在の乖離率は12%台で推移しています。ここ最近では一時9%まで下落する動きもありましたが、今週は先物取引の買いが増加しています。ロングポジションが積まれていますが、年初には乖離率が20%台で推移しており、このまま強い相場環境が続けばまだ買われる余地はあると考えられます。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で大きく減少しています。今週は価格が1150万円で推移し始めてから、取引所から現物が引き出されています。価格の上昇が現物の買い需要を伴ったものであったことが示されています。取引所保有BTCの減少が続けば供給不足になる可能性があります。
2.マイナー・ネットポジション
- 同指標は、マイナー・アドレスのビットコインの増減を示したものとなります。先週はマイナー・アドレスからビットコインが減少する動きが見られ、一部は市場で売られたものと考えられます。その影響からか相場は上値が重い展開となり、先週から今週にかけて6日連続の陰線を記録しました。一方、現在のマイナーアドレスはプラスで推移しており、先週のような大きな流出は見られていません。
まとめ
- 今週のビットコインは大統領選の終了をきっかけに相場が大きく動き出す展開となりました。値動きには底堅さがあり、来週以降も上昇する可能性が高いでしょう。デリバティブ市場ではロングポジションの増加が確認されていますが、年初と比べるとまだ過熱感がある水準には達していません。オンチェーンデータでも取引所保有BTCが減少するなど、買い手が相場を動かしていることが示唆されています。相場は過去最高値圏で推移していることもあり、相場への注目度が増せばさらなる高値の更新となるでしょう。