利確売りに押される1週間、デリバティブでは大きめのロング清算発生
今週の値動き
- 今週のビットコインは10月7日の935万円から取引が始まりました。先週は週後半に上昇する動きがありましたが、今週は週明けから売られる動きとなりました。昨日までに全ての日足でマイナスとなり、高値を切り下げる綺麗なトレンドラインが形成されています。昨日は一時878万円まで下落する場面がありましたが、現在は安値から反発し24時間移動平均線(24EMA)を僅かに上回る動きとなっています。今後は下落のトレンドラインをいつ超えるのかが注目ポイントとなります。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。ロングポジションの比率が高いことを示しています。一方、現在は0.001%の推移となっており、FRは徐々に低下しています。900万円を割ったことでロングポジションが解消されました。
2.ロング・ショート清算推移
- 今週は価格が下落方向に強く動いたため、ロングポジションの清算が多く発生しました。900万円を下回った昨日は、トータルで2000万ドルを超える清算となりました。大きめの清算が発生したことで、昨日の終値にかけて買い戻される動きがありました。10月1日にはロングポジションが多く清算されたことが相場の反転に繋がりました。
3.3ヶ月先の先物価格乖離率
- 3ヶ月先の先物価格と現物価格の乖離率は現在7.7%で推移しています。先週は8%を超えた辺りから相場の上値が重くなる動きがありました。ここ数週間は6%から8%の間で推移することが多く、8%まで上昇した際は利益を確定する動きが出やすい相場となっています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は、足元で減少傾向となっています。2週間前は同指標が急騰する場面があり、ユーザーの強い売り需要が見られました。今週は減少傾向にあることから、短期的な売りが一巡した後は底堅い相場に移行することが予想されます。
2.利益確定送金
- 同指標は、ビットコインアドレスで含み益が出ている状態の送金を示したものとなっています。同指標は先週920万円を上回った辺りに上昇しており、大きめの売りが出ていたことが示されています。今週始めの送金の一部は取引所で売られたものと考えられます。今週の上値の重さは短期の利益確定売りに押されたものであったことが示唆されています。
まとめ
- 今週のビットコインは売りが強い状況となり、下落のトレンドラインが形成されています。デリバティブでは900万円を下回った価格帯で大きな清算が発生し、FRも低下しました。短期的なロングポジションが解消されたことで上値が軽くなり、価格は移動平均線の上位で推移しています。オンチェーンデータでは、取引所保有BTCの推移が低下傾向となっており売り需要は減退傾向と言えます。900万円を下回ってさらに大きな下落は見込みづらい状況となっています。来週以降に下落のトレンドラインを超える動きが出れば、相場の反転が意識されるでしょう。