短期の投機筋は安値圏でロング、相場の続落が懸念されるデータが増加
今週の値動き
- 今週のビットコインは9月2日の840万円から取引が始まりました。週始めの月曜日には879万円まで上昇する場面がありましたが、火曜日からは売り一辺倒の相場となりました。価格は木曜日は800万円近辺まで下落しましたが、小幅に反発し800万円割れとはなりませんでした。一方、本日も価格が24時間移動平均線(24EMA)を下回っており、安値を更新する可能性が高まっています。今週は火曜日以降から売りが強い状況が、週末まで続いています。現在のところ強い反発もなく、来週以降の相場も不安が残るチャートとなっています。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
- ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、足元でプラスで推移しています。今週は価格が上昇している一方、無期限先物取引ではロングポジションの比率が高い状態となっています。価格の下落時には一時的にFRがマイナスとなる動きもありましたが、安値圏では反発を狙った短期のロングポジションの需要が高いと見られます。
2.ロング・ショート清算推移
- 今週は価格が825万円を割り込んだ際に1000万ドルを超える清算が発生しました。先週からの下落により、足元ではロング側の清算が多く見られます。一方、825万円をさらに下回り、800万円近辺まで下落した際は大きなロングポジションの清算は発生しませんでした。短期では下落方向への流動性が枯渇し始めていることを示唆しています。
3.3ヶ月先の先物価格乖離率
- 今週は先物取引で売りが増加しており、現物価格と先物価格の乖離率は縮小傾向となっています。安値圏では乖離率が7%を下回る動きもあり、今年の最低値近辺で推移しています。相場では急速に価格の下落懸念が高まっており、先物取引の売り需要の高まりを示しています。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量はここ数週間低下傾向となっていましたが、今週は小幅に増加しています。先週の週末から増加傾向となっており、売り需要の増加が見られました。今週の相場の下落の一因となった可能性があります。相場に不安が広がっていることから、取引所で現物を売るユーザーが増えていることを示唆しています。
2.マイナーネットポジション
- マイナーのネットポジションは足元でプラスで推移する傾向がありましたが、今週は9月3日に大きく下落する動きが見られました。マイナーのアドレスの現物の増加ペースが減少しており、一部は取引所で売られる可能性があります。今後も増加傾向が減少し、マイナスに転じると相場の売り圧力がさらに増すことが予想されます。
まとめ
- 今週のビットコインは高値を切り下げる動きとなり、足元では買い需要が弱い相場となっています。2週連続でマイナスとなる可能性が高まっています。デリバティブ市場ではFRがプラスで推移しており、価格下落時のボラティリティが上がりやすい環境となっています。オンチェーンデータでは取引所保有BTCの小幅な増加が確認されており、上値の重い相場が続くことが示唆されています。相場のテクニカルに加え、市場データからも下落方向への懸念の高まりが示された9月の初週となりました。