ロングの清算は今年3番目の高さ、大きなポジション調整の後、強い買い戻し入る
今週の値動き
- 今週のビットコインは8月5日の845万円から取引が始まりました。今週の相場は、先週末の下落の流れが継続し、月曜日から売られる展開になりました。価格は日本時間に一時700万円まで下落しましたが、アメリカ時間には買い戻しが入りました。売りが一巡したことで週半ばからは、底堅い動きとなりました。850万円近辺で上値が重くなる動きもありましたが、木曜日には900万円台を回復し、週次の値動きはプラスとなりました。現在も1時間足は24時間移動平均線(24EMA)の上位で推移しており、底堅い動きとなっています。来週まで移動平均線の上位を維持できれば、来週以降の相場も期待ができる状態となります。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
ビットコインの無期限先物取引における資金調達率(FR)は、今週大きくマイナスとなる場面がありました。価格が下落した際にFRは一時0.007%を記録しました。価格は木曜日に大きく上昇したため、足元では僅かにプラスで推移し始めています。900万円を上回った水準からロングポジションの比率が上がっていることを示しています。
2.ロング・ショート清算推移
- 今週は価格が800万円を割り込んだ際にデイリーで1.4億ドルのロング清算が発生しました。8月に記録した1.6億ドルのロング清算に匹敵する額となり、今年の3番目の高さとなりました。ショート側では昨日価格が大きく上昇したため、1700万ドルの清算が発生しています。
3.未決済建玉
- 今週は大きな清算が続出したため、未決済建玉は下落しています。先週から比べ約10%強下落しました。デリバティブ市場でポジションを持つ多くのトレーダーが清算されました。900万円から相場が下落した際に未決済建玉は低下しており、清算の連鎖があったことがわかります。昨日の価格上昇時にも未決済建玉は低下し、安値でショートポジションが狩られました。
今週のオンチェーン
1.取引所保有のBTC推移
- 取引所が保有するBTCの数量は足元で小幅ながら減少傾向にあります。先週から徐々に減少しており、今週もこの流れが継続しています。上昇トレンド中は明確に減少傾向が見られますが、現在は小幅な減少に止まっています。
2.含み益アドレス割合
- 同指標は、ビットコインアドレスで含み益が出ている状態のデータを抽出したものになります。含み益アドレス割合は今週、一時80%を下回り、今年で最も低い水準を記録しました。現在は相場が反転したため88%程度まで回復しています。相場の下落時にはポジション調整が進んだものと考えられます。
まとめ
- 今週のビットコインは上下に激しく動く大荒れの相場となりました。結果としてはロングポジションの投げ売りが出たことで、上値が軽くなり反発しました。週次ではプラスとなったため、週始めよりいいチャートの形で週末を迎えることになります。大きな下落が発生したことで、5月以降に上値が重かった相場のトレンドが転換する可能性が出て来ました。再度安値を試す展開も考えられますが、今週記録した700万円近辺は底値として強く意識されるでしょう。