今週の値動き
- 今週のビットコインは289万円近辺から取引が始まりました。週始めは揉み合う展開が多く見られましたが、週の中盤に入ると買われる傾向が強くなりました。一時308万円近くまで上昇し、ここ6週間の高値を更新しました。今週は全体的に底堅さが目立つ相場となりました。
- ビットコインは足元で上昇に一服感が出ており、現在は24時間平均の24EMAを下回り推移しています。価格は295万円近辺でサポートされ、下げ止まりを見せています。このままサポートされると週足では5週間連続の陽線が見込まれ、相場は長期的にもテクニカルが強気であると言えるでしょう。今週はドルベースでも2万ドルを回復するなど、相場には徐々に買いが戻ってきていることが示唆されました。
今週のデリバティブ市場
1.無期限先物取引の資金調達率
- 現在の資金調達率（FR）は足元でプラスで推移しています。今週は価格が上昇していることもあり、ロングポジションの比率が上昇していることを示してます。現在は0.004%程度で推移しています。ロングポジションの比率の上昇は小幅に止まっています。今後0.01%程度まで上昇した場合は値動きが重くなる可能性が出てくるため注意が必要です。
- 2.ロング・ショート清算
- 今週は値動きが強かったため、ショートポジションの清算が発生しています。一方、800万ドルから700万ドルの清算が走った程度、1000万ドルを超えるような清算はありませんでした。今週の価格上昇が現物主導だったことを示唆しています。ショートポジションの清算を見る限りはまだ上値余地があると考えられます。
3.先物価格乖離（3ヶ月）
- 3ヶ月先の先物取引と現物取引の乖離率は今週、上昇しています。現物価格の上昇と共に先物取引でも買いが入っているようです。現在の乖離率は1.5%程度の上乖離で推移しています。今月13日には一時マイナスまで下落した乖離率は足元で上昇しています。まだ小幅な上乖離で推移していますが、こちらもさらに上昇するようなら現物価格の上値が重くなる可能性があります。
今週のオンチェーン
1.取引所保のBTC推移
- 取引所保有BTCの推移は引き続き低位で推移しています。今週はほぼ横ばいで推移しています。取引所保有BTCが上昇してくると潜在的な売り圧力が上昇する可能性がありますが、今週はさほど変化が見られません。このまま下落傾向が続くなら、相場が今後も底堅く推移することが予想されます。
2.含み益アドレス割合
- 今週の含み益アドレス割合は大きく上昇しています。現在は61%程度で推移しており、2週間前の52%から大きく上昇しています。安値圏で買った投資家のポジションで含み益が出始めていることを示唆しています。相場環境が好転していることを示しており、今後も価格が底堅く推移すると含み益アドレス割合は大きく上昇することが予想されます。
まとめ
- 今週は価格が一時300万円台を回復するなど、値動きに底堅さが見られました。ここ数週間で買いが優勢となっており、来週もこの流れが続くものと予想されます。
- デリバティブでは小幅にロングポジションの増加が確認されています。現在は大きく買い越されているわけではありませんが、今後もロングポジションの比率の上昇には注意が必要です。
- オンチェーンデータでは取引所保有BTCの増加は見られず、現在のビットコイン価格はユーザーにとってまだ売り時であると見ていないようです。含み益アドレスは上昇していますが、相場の閑散期のここ数週間に買っている投資家は長期目線であると考えられ、まだ利益確定の売りは出ずらいと予想されます。
この記事の著者
マーケット・アナリスト
真田 雅幸
米国の大学で経済学を専攻しお金の流れについて興味を持つ。在学中にビットコインに興味を持ち、bitbankのメディアで寄稿を行う。2015年頃からビットコインのトレードを始め、デリバティブ情報も分析しながらトレードを行う。
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