BTCはAI懸念とバイナンス事件で大幅安 1200万円で反発できるか

10月26日〜11月1日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比23万7676円(1.89%)安の1232万6738円と4週続落した。
先週のBTC相場は1200万円台後半で底堅い推移で始まり、米連邦公開市場委員会(FOMC)も無難に通過し、一時は1290万円台に戻したが、アルファベットやアマゾンの決算で巨額のAI投資の採算性が懸念されたほか、インテルの業績不振などがハイテク株の急落を招き、週後半からはBTCも連れ安となり、30日未明には1240万円台まで急落した。
さらに、30日朝方には追い打ちをかけるようにバイナンスから60億ドル超の暗号資産(仮想通貨)の不正流出が発覚し、この日の東京時間には1200万円近辺まで下げ足を速めた。
その後、バイナンスから顧客の損失補填方針が発表されたほか、流出したステーブルコイン発行体が資産をオンチェーン上で凍結したことで、相場は一時下げ止まったものの、この日も米ハイテク株の下落が相場の重石となり、戻りは限定された。
尤も、100日移動平均線の走る1200万円周辺で下げ渋ると、バイナンスが不正流出の被害額の約80%を補填したと発表したことで、相場は週末に入り1210万円台で安定した。その後もBTCは底堅く推移するなか、11月1日にはバイナンスが停止していた仮想通貨の出金を再開。直後にはバイナンスから30億ドル超の資金の純流出が報告されたものの、相場への影響は軽微となっている。


今週は、バイナンスの不正流出問題に加え、AI関連企業の決算、米中間選挙、米雇用関連指標など材料やイベントが目白押しとなるが、BTC相場はまず米ハイテク株の動向に振られやすい展開を想定している。
目先では、バイナンスを巡る警戒感は徐々に後退するとみている。同社は1日時点で不正流出による被害の約95%を補填したと発表したほか、停止していた出金も再開しており、上述の通り、直後には30億ドル超の純流出が確認されたものの、BTC相場への影響は軽微となっている。今回の事件がBTCそのものの安全性に関わるものではないことも踏まえれば、追加的な混乱が生じない限り、この材料はほぼ消化されたと言えよう。
一方、より重要となるのが今週相次ぐAI関連企業の決算だ。先週はアルファベットやアマゾンの決算を受け、ハイパースケーラーによる巨額のAI投資の採算性が懸念され、米ハイテク株の下落がBTCにも波及した。今週はパランティア、AMD、Armなどの決算が予定されており、GPUやデータセンターなどAI関連需要の底堅さが確認されるかに注目したい。加えて、AI投資が実際に業績へ寄与していること、あるいはその兆しが示されれば、先週から続くハイテク株安の流れを変える切っ掛けとなる可能性がある。
3日には米中間選挙も予定される。予測市場では民主党優勢が織り込まれており、そもそも中間選挙では大統領の所属政党が議席を減らすことも珍しくない。仮に下馬評通り民主党が上下両院の多数派を奪取したとしても、ジーニアス法は既に成立しているほか、クラリティ法案の年内成立期待も既に後退していることから、BTCへの影響は限定的になるとみている。
週後半は米雇用関連指標へ焦点が移ろう。JOLTS求人件数やADP雇用統計などを経て、6日には10月雇用統計が発表される。先月の米経済指標では、雇用の減速と物価上昇の加速を示しており、米連邦準備制度理事会(FRB)内でも利上げを急ぐ必要はないとの見方が広がった可能性がある。12月の利上げは既に相応に織り込まれているが、その先の政策金利のパスについてはコンセンサスが固まり切っていない。雇用統計が強めの結果となれば、市場が来年1月の追加利上げを織り込みに行き、米金利上昇を通じてBTCの重石となる可能性には注意したい。
足元では、100日移動平均線や短期筋の平均取得コストが密集する1200万円周辺が相場のサポートとして機能している。ただ、今週は相場を動かし得る材料が多く、同水準を明確に割り込めば、200日移動平均線が位置する7万3000ドル(≒1152万円)も下値目途として視野に入ろう。一方、心理的節目となる8万ドル(≒1263万円)を回復できれば、相場にも一定の安心感が広がるとみている。



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bitbank Report 2026/11/02:BTCはAI懸念とバイナンス事件で大幅安 1200万円で反発できるか













