BTCは8万ドル定着ならず ジャクソンホールで利上げ警戒強まる

24日〜30日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比10万1359円(0.82%)高の1245万2249円と小幅に続伸したものの、週間高値1297万7887円を維持できず、およそ3カ月ぶりの高値圏では上げ渋る格好となった。
19日から21日にかけての相場急騰から一転して、先週のBTC円は8万ドル水準や円建てで節目となる1300万円をトライするも、28日のジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長の講演を控え、週後半まで底堅くも上値を伸ばし切れない展開が続いた。
ウォーシュ議長はジャクソンホールで、基調的なインフレが目標の2%に向かって鈍化しなければ、さらなる金融引き締めを行う用意があると発言したほか、現状の金融環境は十分に抑制的ではないとの認識を示し、追加利上げに含みを持たせた。これを受けて債券市場では短期ゾーンの利回りが急騰し、イールドカーブが急速にフラット化するなか、BTCは1270万円台から1230万円台まで下落した。
しかし、その後はイランのガエムパナ副大統領がウラン濃縮停止で米国に譲歩する可能性に言及したことで、週末のBTC相場は1250万円周辺で底堅い推移に転じた。一方、30日には一時1270万円台に戻すも、米・イランの軍事衝突が再開したことで、再び上値を重くしている。


現状の金融環境に対するウォーシュ議長の認識は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げに向けた地ならしとも捉えられる。議長は、現在の金融環境は十分に抑制的ではないとの見方を示しており、これを受けてFF金利先物市場が織り込む9月利上げの確率は、ジャクソンホール前の約40%から約60%まで上昇している。
また、注目されていた米財務省による長期国債の買い戻し規模倍増について、ウォーシュ議長から具体的な言及はなかった。先々週以降、米財政への懸念やTGAを巡る流動性改善期待がBTC相場を支えてきた一方、足元では金融政策への市場の関心が再び高まっており、短期金利に上昇圧力が掛かりやすい環境はBTCにとって逆風となろう。
直近のインフレ指標では、消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)のコア指数が前年比で減速した一方、個人消費支出(PCE)デフレーターのコア指数とトリム平均PCEは横ばいとなっている。インフレ再加速を示すには至っていないものの、PCE関連指標の伸びは鈍化しておらず、現状の金融環境が十分に抑制的ではないとの認識を踏まえると、9月利上げが現実味を帯び始めたと言えよう。
9月のFOMCは15日〜16日に予定されており、それまでには10日に8月PPI、11日に8月CPIが発表される。足元では両指標のコア指数が前年比で減速していることから、こうした傾向が維持されれば利上げ観測が後退する余地は残されている。一方、8月分でコア指数の伸びが再び加速すれば、9月利上げの織り込みが一段と進み、短期金利の上昇を通じてBTCへの下押し圧力が強まる可能性がある。
加えて、中東情勢にも注意したい。週末には米国とイランの軍事衝突が再開しており、原油価格の上昇を通じてインフレ懸念を再燃させる可能性がある。原油高が続けば、市場が9月利上げを先回りして織り込む切っ掛けとなり、短期金利には一段と上昇圧力が掛かりやすくなろう。
総じて、週末のBTC相場は1230万円台で下げ止まったものの、目先は地合いが軟化しやすいとみている。米財政への懸念やTGAを巡る流動性改善期待は引き続き相場の下支えとなり得る一方、ジャクソンホールを通過したことで、現状の金融環境が十分に抑制的ではないとの認識を背景に、9月利上げというリスクがより現実的な材料として意識され始めた。さらに、中東情勢の緊迫化による原油高が利上げ観測を後押しする可能性もあり、目先は上値の重い展開に警戒しておきたい。



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bitbank Report 2026/08/31:BTCは8万ドル定着ならず ジャクソンホールで利上げ警戒強まる








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