BTCは7万ドルの攻防へ 和平交渉決裂で週末に下落

6日〜12日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比28万5172円(2.59%)高の1131万円と続伸した。
米国とイランの停戦合意により、先週のBTCは1100万円周辺から1150万円周辺に浮上すると、その後は和平交渉を控えた様子見ムードが広がり、上げ渋る展開が続いた。一方、10日には暗号資産(仮想通貨)を資金決済法から金商法の枠組みに移す改正法案が本邦国会に提出され、相場は1160万円台に乗せた。
週末には、米国とイランの和平交渉を前に、米国がホルムズ海峡の機雷除去を発表し、和平交渉での成果への期待感からBTCは週高値1177万円まで上昇した。しかし、21時間にも及んだ和平交渉では、イランの核開発放棄やホルムズ海峡開放で合意に至らなかった上、次回の協議の日程も設定されず、BTCは週明けの混乱を先取りする形で1140万円台に押し戻された。更に、トランプ米大統領は和平交渉の決裂を受けて、海軍によるホルムズ海峡の封鎖を発表し、相場は一時1126万円まで下落。その後は下げ渋りに転じたが、結果的に週後半の上げ幅を掻き消した。

注目されていた米・イランの和平交渉は、核開発問題やホルムズ海峡を巡る主張の隔たりが埋まらず、現時点で次回協議の見通しも立っておらず、米国側からは攻撃再開の可能性も示唆されている。加えて、米海軍によるホルムズ海峡の封鎖を巡る動きも意識されており、エネルギー供給の不透明感は一段と強まったと言えよう。これにより、インフレ再燃への警戒が燻りやすく、週明けの金融市場ではリスク回避姿勢が優勢となる可能性がある。
BTCは、週末に7万3000ドル台後半まで上昇した後、足元では7万ドル近辺(≒1118万円)まで反落している。先週時点では、交渉決裂の場合には6万〜6万5000ドルレンジ(≒958万円〜1038万円)への押し戻しを想定していたが、一度上値を試したことで、目先は7万ドル水準での攻防が意識されやすくなったとみられる。ただし、米株市場が中東情勢を嫌気して下落基調を強める場合、BTCも連れ安となり、7万ドル割れを試す展開には留意が必要だ。
一方で、予てから指摘の通り、今回の地政学リスクはBTCに対して一方向にネガティブに作用するとは限らない。仮に軍事衝突が長期化すれば、米国の戦費拡大を通じて財政懸念が意識されやすくなる。この場合、ドルや米国債への信認低下がテーマとなり、BTCには中長期的な支援材料として作用する可能性がある。すなわち、短期的にはリスク資産としての売り圧力を受けやすい一方で、時間軸を引き延ばせば財政不安を背景とした買いも入りやすく、相場は上下双方の材料に挟まれた展開となろう。
実際、米国の現物ビットコインETFへの資金フローは直近数営業日で改善しており、中東情勢を巡り市場のリスク回避姿勢が強まるなか、一定の逃避マネーの流入が指摘される。
今週は、米国が対イラン姿勢をどの方向に傾けるかが最大の焦点となる。対話継続や緊張緩和の兆しが見られれば、リスクオフ圧力は後退し、BTCは直近1カ月のレンジ上限となる3月高値(7万6000ドル≒1213万円)を試す展開も想定される。一方、軍事行動の再開や緊張の一段の高まりが確認されれば、まずはリスク回避が優勢となり、前述の通り、6万ドル〜6万5000ドルレンジに下落する公算が大きいと見ている。
総じて、今週のBTCは「中東情勢を起点としたリスクオフ」と「戦争長期化に伴う米財政懸念」という二つのドライバーの綱引きの中で、直近1カ月レンジ内での方向感を探る展開が続くとみている。
















