BTC円はドル円急落で戻り鈍く ドル建てでは10万ドル射程圏内
11月25日〜12月1日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比608,990円(4.03%)安の14,499,999円と8週ぶりに反落した。
先週のBTC円は1500万円台からの取引となったが、レバノン休戦の可能性を受けたコモディティ価格の下落に連れ安となり、利益確定の売りが加速。26日には1400万円割れを試した。
一方、その後公表された11月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や、10月の米インフレ指標でネガティブサプライズがでなかったことで下げ止まると、1400万円台中盤まで水準を戻した。週後半からの相場は、外国為替市場でドル円相場が急落したことで上値を圧迫されるも、第2次トランプ政権の米証券取引委員会(SEC)委員長にFinTech推進派のポール・アトキンズ氏が有力候補として挙がっているとの報道や、29日のオプションカットを通過して強含みに推移し、一時は1486.5まで上昇した。
しかし、その後は上値を伸ばすことができず、週末の相場は再び1400万円台中盤で小動きに推移した。
ドル円相場の急落によって円建てBTCの戻り高値は抑えられたが、ドル建てBTCの週足は安値から7%超の反発を演じ、終値は前週比僅か0.78%安の97,263ドルと極めて底堅い推移だった。今年も感謝祭の週に押し目をつける「感謝祭アノマリー」が確認された格好で、向こう1、2週間での上昇トレンド再開への期待感が膨らむ。
デリビットのBTCオプション市場では、29日のオプションカットを通過して最大ピンがついに100,000ドル(≒1503.8万円)となり、過去24時間での取組のボリュームゾーンは3日限の100,000ドルコールや27日限の110,000ドル(≒1654.2万円)コールとなっており、直近での100,000ドルタッチの可能性も十分にあると言えよう。
一方、今週は米国の製造業・比製造業購買担当者景気指数(PMI)や、JOLTs求人件数、ADP雇用レポート、雇用統計と重要指標の発表が連日続き、5日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言も控えている。FF金利先物市場は12月の利下げの確率を65%ほど織り込み、来年は25ベーシスポイント(bp)の利下げを2回と利下げペースにブレーキが掛かることを既に織り込んでいるが、12月のFOMC会合でも利下げが見送られる可能性が台頭すれば、BTC相場には向かい風となり得るとみており、100,000ドル台に乗せるには追加利下げの手掛りが欲しいところだ。
現段階では想定通り、BTCは100,000ドル肉薄後に相場が大きく崩れることなく底堅く推移している。しかし、海外の主要取引所では100,000ドル手前から売り板が厚くなっており、やはり同水準の上抜けには相当に強い材料が必要だろう。反対に、100,000ドルまでの売り板を突破できれば、FOMO(取り残される恐怖)で再び相場が走るとみており、アップサイドのリスクには引き続き注意しておきたい。
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bitbank Report 2024/12/02:BTC円はドル円急落で戻り鈍く ドル建てでは10万ドル射程圏内