BTCは半値押しサポート陥落 どこまで下げるか?
17日〜23日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比395,834円(3.76%)安の10,129,066円と2週続落した。
週前半の相場下落以降、BTC円は1030万円周辺で底堅い展開が続いていたが、21日の海外時間には、欧州圏の6月HCOB総合購買担当者景気指数(PMI)の下振れを受けた欧州国債の利回り低下がユーロ安を誘発、ドル指数は急伸しBTC相場の重石となった。これによりBTC円は1010万円台前半まで値を下げたが、その後は米国債に押し目買いが入り(利回りは低下)、結局、1030万円近辺まで戻した。
しかし、週末は小動きが続いたBTC円だったが、23日夜から主要アルトが弱含むと、ドル建てでは、5月1日安値(56,500ドル)と5月21日高値(72,000ドル)を基点とするレンジの半値押し(64,250ドル≒1025万円)を割り込み売りが徐々に加速、今朝方には一時1010万円を割り込んだ(第2図)。
今週のBTC相場は下値を模索する展開が視野に入る。相場は売り買い勢力が拮抗すると指摘した65,000ドル(≒1037万円)周辺の水準を下抜け、オンチェーン上では強気相場の需給構造が反転した(第3図)。加えて、テクニカル的には、BTCドルの日足では一目均衡表の三役逆転が完成、RSIは39.14%と売りの過熱感も依然として確認されない。
先週は、米小売売上高の下振れや住宅宅着工件数の低下など、データ的にはBTC相場にとって悪くない内容だったが、ダブルトップ完成からテクニカル的なセンチメントは悪化し続け、ついに上述の高値レンジの半値押しサポートも陥落することとなった。
目先では、心理的節目で、オプション市場で建玉が集中する60,000ドル(≒958.4万円)がBTCの下値目途となりそうだが、BTC相場がレンジの半値押しを割り込むと、全値押し水準まで下落することもあるという経験則もあり、56,500ドル(≒902.5万円)までの下値余地は想定しておいた方が良さそうだ。
今週は、重要な米経済指標の発表や、11月の米大統領選に向けた候補者の初テレビ討論会など、注目材料が目白押しとなっているが、足元のテクニカルの状況に鑑みて、売り出尽くし感が確認されるまで流れは変わりにくいと指摘される。
ただ、米大統領選のテレビ討論会と第一・四半期の米GDP成長率や一連の四半期データの確報値は27日、5月の米個人消費支出(PCE)価格指数は28日と、重要イベントと指標は週後半に偏っており、それまでにBTC相場が最低でも60,000ドルまで下げていれば、下値の目標達成感から反発の余地も出てくるだろう。