雇用統計でも動けなかったBTC 時間論的にそろそろ動き出すか
3日〜9日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比24,307円(0.65%)安の3,744,053円と終値ベースでほぼ横ばい。前週からレンジを切り上げた格好だが、ブレイクアウトには失敗した。
JOLTs求人件数の低下や、ADP雇用レポートでの月間民間部門雇用者数増加が市場予想を下回った他、米供給管理協会(ISM)の製造業とサービス業動向レポートが景気減速を示し、先週木曜まで米国債利回りは低下しBTC相場を支えた一方、景気後退への懸念から米株の軟化が相場の上値を抑え、BTC相場は綱引き状態となり、370万円周辺での揉み合いに終始した。
注目された金曜の雇用統計では、雇用者数変化や前年比の平均時給が市場予想を下回った一方、失業率が市場予想に反して改善。これにより金利は上昇した一方、景気への懸念も和らぎ米株先物は反発し、木曜までのBTC相場の下支え要因と上値圧迫要因が逆転する格好となり、週末の相場も370万円を巡る攻防が続いた。
一方、イーサリアムの上海アップグレード(12日夜〜13日朝)や3月の米消費者物価指数(CPI)(12日午後9時30分)と重要イベントが迫るなか、今朝方のBTC相場は小幅に上昇し、370万円台後半まで戻した。

先週は重要な指標が目白押しとなったが、BTC相場は方向感を示すことはできなかった。こうしたなか、FF金利先物市場では、5月の金利据え置きと25ベーシスポイント(bp)利上げを織り込む確率がほぼ五分五分の状態が続いていたが、金曜日の雇用統計後にはおよそ3対7と利上げ織り込む動きが加速した。3月の米CPIは、原油価格の低下をある程度反映してヘッドラインCPIは2月からの減速が期待され、市場の政策金利見通しにも修正が入る可能性が高いと言えるが、奇しくも上海アップグレード実行がその直後に予定されており、ETH相場の動きが読みにくくなっている。
上海アップグレードでは、ステーキングされているETHが解放されることから売り圧力が懸念される一方、ステーキング参入障壁が低くなることでの需要増加や、現状ロックアップされているETHのほとんどが含み損を抱えている状態と指摘されることから、それほど大きな売り圧力を生まないとの声も散見される。ただ、先週のETH相場はアップグレードを前に強含む場面もあったため、若干の事実確定売りが入る可能性も想定しておきたい。
テクニカルの側面では、先週も指摘の通り、一目均衡表の時間論的に今週の木曜に高値揉み合いから「一期(26日)」が経過することとなり、週央から相場が方向感を示すことが期待される。BTCの短期移動平均線は上昇トレンドに陰りが確認されるが、全体としては強気のパーフェクトオーダーを維持し、一目均衡表でも強い買いシグナルとされる三役好転を維持しており、どちらかと言えば相場の上方へのブレイクアウトが期待できるか。




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bitbank Report 2023/04/10:雇用統計でも動けなかったBTC 時間論的にそろそろ動き出すか







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