ブレイクアウト目前のBTC 続伸には材料不足か?
13日〜19日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比394,550円(13.74%)高の3,265,774円と大幅反発し、およそ半年ぶりの高値を試す展開を繰り広げた。
ドル建てで200週移動平均線の走る節目の25,000ドルや、昨年8月高値の25,200ドルが密集するエリア(≒336万円〜338.7万円)の上抜けを試した先週16日のBTCは、1月の米生産者物価指数(PPI)と新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことで、米長期金利の上昇に上値を圧迫され反落。さらに、バイナンスの米国法人が2021年にCZが経営するとされるトレーディングファームに537億円もの巨額の資金を送金していたとロイターが報じたことで、相場は下げ足を速めた。
一方、バイナンスUSが「顧客資産をトレードすることも貸し出すこともない」と火消しツイートをすると、金曜日のBTCは一目均衡表基準線(23,311ドル≒312.6万円)付近で下げ止まった。半年ぶりの高値水準からの上抜けを目前にBTCはその後も買い支えられると、リッチモンド地区連銀のバーキン総裁が25ベーシスポイント(bp)利上げを支持し、相場は反発。週末も25,000ドル水準で底堅く推移するも、8月高値が相場のレジスタンスとなり、足元ではやや上値を重くし始めている。


金曜日から25,000ドルを3度トライして失敗している一方、BTC相場は崩れることなく想定以上に底堅く推移している。やはり米証券取引委員会(SEC)の一連の規制強化の動きがビットコインの存続には直接的に影響が及ばないとの安心感や、昨年6月から続く底値圏からのブレイクアウトが視野に入り、良好な地合いが保たれている格好と指摘される。
また、先週はNY地区連銀のウィリアムズ総裁とクリーブランド地区連銀のメスター総裁らから、3月の50bp利上げ余地を指摘する発言もあったが、FF金利先物市場では大勢の政策金利到達点(ターミナルレート)予想が当初の5.25%から5.5%まで既に引き上がっており、楽観的な見通しに適度な修正がかかっていたと言える(第2図)。今週は金曜未明に1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公開が控えているが、市場の政策金利見通しにこうした上方修正が入ったことで、ある程度のタカ派的サプライズに対応する準備ができていると見ている。元より、1月のFOMC声明やパウエル議長の記者会見は、これまでと比較してハト派的だったと言え、議事要旨でタカ派的なサプライズがでる公算は低いと言えるか。
一方、今週はFOMC議事要旨の公開まで目星い材料に欠けるとも言え、25,000や8月高値更新には材料不足な印象もある。地合いの良さから押し目では買い支えられる展開が続くと見ているが、目先では25,000ドル周辺を背に揉み合いが続く展開を想定している。また、金曜夜には1月の米個人消費支出(PCE)の発表も控えており、消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)の減速ペース鈍化から鑑みるに、1月のPCEの結果はBTC相場の重石となる可能性が高いか(第3図)。
BTC相場は底値圏からのブレイクアウトが目前となり、市場の期待感も募っている印象が強いが、今週は期待外れな値動きに警戒しておきたい。












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