11月高値で下げ止まったBTC 安心するのはまだ早いか
6日〜12日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比164,094円(5.41%)安の2,871,224円と2週続落し、ドル建てでは節目の22,000ドル(≒289.7)を4週ぶりに割り込んだ。
クラーケンと米証券取引委員会(SEC)の和解に伴う同社のステーキングサービス停止発表により、先週木曜日の暗号資産(仮想通貨)市場には衝撃が走り、アルトコイン主導でBTCも上値を重くし、2週間ほど続いた300万円周辺での保ち合いから下放れを演じた。
翌日にはゲンスラーSEC委員長が、「ステーキングに対しては中立だ」としたことで、市場の混乱はやや後退した印象だったが、米消費者物価指数(CPI)の発表を控える中、2月のミシガン大消費者信頼感の速報値が前月から改善し、期待インフレも上昇。これを受けて、米国債利回りの上昇にナスダック総合が上値を圧迫されると、BTCも上値を重くし、一時は283万円まで押した。
一方、ドル建てで昨年11月高値(21,500ドル)周辺となる同水準で相場は下げ止まると、ボラティリティの落ち着きやすい週末はジリ高に転じた。昨晩には、相場が290万円まで戻す場面もあったが、ドージコイン(DOGE)を筆頭にアルトコイン相場の下げに連れてやや上値を重くし、足元では280万円台中盤まで押している。


米国における仮想通貨交換業者のステーキングサービス存続が脅かされるかと衝撃が走ったが、クラーケンを巡ってはサービス運用、特に顧客に支払うリワードの捻出方法に関して情報開示能力に欠けていたことが問題となった格好だ。よって、本件はサービスのスキームの問題であって、ステーキング自体が米国の証券法に抵触しているわけではなく、ゲンスラー委員長もこの点について明確にしたと言える。
ただ、「ネットワークで定められたリワード(つまりリワードの捻出に交換業者が関わらない)を顧客に還元する」ということを引き合いに、コインベースのアームストロングCEOはステーキングは証券法、及びハウェイテストに抵触しないとブログで主張したが、この点については依然として不透明と言え、SECからの更なる説明が求められる。
指摘の通り、BTC相場は11月高値周辺で踏みとどまることができたが、安心するのはまだ早い。今週は14日に1月の米CPIの発表を控えているが、直近数ヶ月と同様のペースでインフレが減速するか怪しい雰囲気が漂っているからだ。米国のCPIは前年比で3ヶ月連続の0.5%ポイント以上の低下、前月比でも2ヶ月連続で低下してきているが、米供給管理協会(ISM)が発表した1月の製造業とサービス業の支払価格は双方とも12月から上昇していた。
また、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「ディスインフレーションが始まったと言える」と発言した矢先、CPIが前月から上昇すれば、市場への影響は大きいと想定され、BTC相場も11月高値のサポートを割り込む可能性があるだろう。次の下値目途としては、心理的節目の20,000ドル(≒263.3万円)や、週足基準線と日足200日移動平均線が密集している、19,710ドル〜20,000ドルエリアが視野に入る。










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