ドル円急落でBTC対円も一時急落 2万ドル乗せが難しいと思う理由

17日〜23日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比24,056円(0.84%)高の2,886,499円と4週続伸。相場は19,000ドル水準(≒283万円)周辺で揉み合う展開が1カ月以上続いている。
21日のBTC相場は、外国為替市場でドル円相場が152円に肉薄したことでジリ高で290万円回復をうかがったが、日本銀行による為替介入でドル円相場が急落したことで上値を重くし、一時は280万円周辺まで押した。ただ、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がこの日、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)において利上げペース調整を議論する可能性が大きいと報じたことで、米国債利回りが反落し、米株が反発。BTC相場もこれに救われる格好で反発し、284万円周辺で週末を迎えた。
週末の相場は通常通り概ね落ち着いた値動きを見せ、284万円周辺で横ばい。今朝方には小規模なショートの踏み上げがあり相場が上昇したが、シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物がギャップアップして取引を再開すると失速し、週足終値での290万円回復には至らなかった。


市場はFOMCに対して過度に警戒感を抱いていると指摘したが、WSJの報道により、若干、リスク回避姿勢が緩んだ。勿論、来月2日の会合で利上げ見通しに関するヒントが出るまでは不透明感から積極的なリスクテークは控えられると指摘され、今週のBTC相場も底堅くも方向感に欠ける展開が見込まれる。
BTCのオプション市場も先週と変わらず、19,000ドルと20,000ドル(≒298万円)ストライクに建玉(OI)が集中している(第2図)。21日には現物相場が一時的に19,000ドルを割り込んだが、速やかに同水準を回復しており、身動きの取りづらい状況でマグネット効果が効いていると指摘される。反対に、20,000ドル以上では利益確定の売りが入りやすいとも言え、やはり相場に方向感が出にくいか。20,000ドル周辺には一目均衡表の雲下限もあり、それなりの材料なしではそう簡単に突破はできないだろう。
他方、週後半からは第三・四半期の米国内総生産(GDP)や9月の個人消費支出(PCE)の発表を控えており、27日からは指標主導の値動きに注意したい。利上げペース調整の可否が問われ始めたことで警戒ムードが後退したことから、予想以上のGDP回復やPCEの上昇加速が重なれば、再びリスク回避姿勢が強まるだろう。




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bitbank Report 2022/10/24:ドル円急落でBTC対円も一時急落 2万ドル乗せが難しいと思う理由