BTCは5.8万ドルで再び失速 手掛かり待ちで方向感欠く
10日のビットコイン(BTC)円は818.7万円から小緩む展開で取引を始めた。朝方にドル建てBTC相場が58,000ドル(≒832万円)にワンタッチしたことで、短期的な目標達成感から利食いが入った。一方、相場は売り一巡後に切り返すと、東京時間終盤には820万円台中盤まで戻した。その後も揉み合う展開が続いたが、米時間には米国債利回りの低下と米株の上昇に支えられる形で底堅い推移となり、BTCドルは再び58,000ドルにタッチ。外為市場でドル安円高が進んだ影響で円建てBTC相場の上値は抑えられたが、終値は0.32%高い821.3万円となった。
本日のBTC円は、日銀の中川順子審議委員が今朝方に秋田市で開かれた懇談会で、追加利上げを示唆する発言をしたことで市場に緊張感が走り、東京時間序盤に810万円を割り込んでいる。また、現地時間10日に開催されたトランプ対ハリスのTV討論会を通過して、予測市場のポリマーケットではトランプ氏の当選確率が低下しハリス氏のそれと並んだ。本日は現地メディアがハリス氏の討論会での勝利を広く報じる可能性があり、BTC相場には重石となるか。他方、本日は8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。市場の関心はインフレより労働市場に向いていると言え、インフレの継続鈍化を確認できたとしても、多少のBTC相場の下支えにはなると言えるが、相場の急伸には期待できないだろう。
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bitbank Report 2024/09/11:BTCは5.8万ドルで再び失速 手掛かり待ちで方向感欠く