BTCは下値模索から反発 安心するのはまだ早い?
4日のビットコイン(BTC)円は838.3万円で寄り付くと、前日の米製造業購買担当者景気指数(PMI)下振れを受けた米国の景気後退懸念再燃がアジアの株式市場にも波及するなか、売り優勢で取引が始まり、東京時間に820万円周辺まで水準を下げた。その後、米時間序盤に発表された7月のJOLTs求人件数が予想を下回ると、相場は812.5万円まで下落するも、①スイス大手銀行ZKBがBTCとETHの取引を開始したことや、②米アトランタ連銀ボスティック総裁が利下げを急ぐべきと発言したこと、③また、予想市場でトランプ氏の支持率が上昇したことなどを受け、BTC円は反発し、相場は東京時間の下げ幅を解消、終値は832.9万円となった。
BTC円は下値を模索した後に反発したが、安心するのは時期尚早とみている。米国の労働市場減速が顕著となるなか、ボスティック総裁の発言は「FRBには利下げを待つ余裕がない」とも捉えられる。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での一番の焦点は「利下げ幅」と言えるが、FF金利先物市場では50bp利下げを45%、25bp利下げを55%織り込んでおり、予想が割れ始めている。本日は8月のADP雇用レポート、新規失業保険申請件数、さらに米サービス業PMIの発表を控えており、景気の減速を示す結果には引き続き要注意だ。18日のFOMCまでに市場が50bp利下げをある程度織り込みきれていれば、ネガティブサプライズを回避できる公算が高くなるが、その場合はイベントまで相場の軟調地合いが続くだろう。