BTC円は上下に振れる展開 米景気後退懸念緩和も方向感示せず
29日のビットコイン(BTC)円は上下に振れつつも方向感に欠ける展開。この日の相場は855.1万円で取引を開始すると、東京時間終盤から小締まる展開となり860万円台後半に戻した。米時間には、第二・四半期の米GDP成長率改定値が上方修正されたことで景気後退懸念が和らぎ、BTC円は890万円に肉薄したが、これによりシカゴマーカンタイル取引所(CME)のBTC先物が窓埋めを達成し戻り売りが入った。さらに、米国市場終盤にかけての米株の反落に連れ安となり、相場は上げ幅の殆どを掻き消し、終値は863.7万円となった。
先週のジャクソンホールを通過して900万円を回復していたBTC円だったが、先物市場で過熱感がでたところにエヌビディアの決算や重要経済指標への警戒感が相場の重石となり、今週はロングの投げを伴って先週の上げ幅を吐き出した。エヌビディアの決算は利益と収入が予想を上回ったものの、見通しが期待を上回る内容ではなく、同社の株価及びナスダック総合を圧迫している。他方、米国の景気が底堅さを示していることでBTCは800万円台中盤で下げ止まっているが、市場ではFRBによる大幅利下げ観測が修正されつつある。本日発表される7月の米PCE価格指数では、前年比でインフレの若干の加速が予想されており、結果が市場予想通りとなれば、大幅利下げ観測の修正がさらに進み、BTC円には重石となる可能性がある。
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bitbank Report 2024/08/30:BTC円は上下に振れる展開 米景気後退懸念緩和も方向感示せず