トランプ氏のインタビューに市場はやや動揺 BTCは切り抜けられるか?
17日のビットコイン(BTC)対円相場は1029万円で取引を開始。東京時間の相場は、前日のビットコインETFに1ヵ月ぶりに4億ドルを超える流入があったことを好感し、1047万円まで上昇した。しかし、トランプ前米大統領がブルームバーグとのインタビューでドル高是正や関税引き上げの意向を示すと、ドル円と米株先物が急落し、円建てBTC相場は1020万円周辺まで下落した。さらに、昨日はバイデン政権も中国に対して極めて厳しい貿易制限を検討していると報道され、半導体株の急落がBTC相場の上値を圧迫、米時間の相場は一時1000万円を割り込んだ。一方、昨日はFRBのウォラー理事が、利下げが「近づいている」と発言したこともあり、米債利回りの低下がBTC相場の下支えとなった。
BTC対円は為替の影響で-2.92%と下げたが、対ドルでは-1.54%と下げ幅は限定された。また、昨日はナスダック総合が-2%を超える急落を演じた割に、BTCドルは底堅かったと言えよう。ただ、トランプ氏とブルームバーグのインタビューによって為替と株式市場はやや動揺気味となっており、半導体や大型IT株の軟化が続けばBTC相場の上値圧迫要因となろう。他方、トランプ氏によるドル高牽制はドル建てBTC相場の下支えともなり得る。また、FRB高官によるハト派的な発言や、7月のベージュブックで経済活動の縮小を報告する地区が増えるなど、市場のFRBによる早期利下げ観測も健在だ。以上に鑑みて目先のBTC相場は65,000ドル(≒1015万円)周辺での揉み合いが想定されるが、株式市場が材料を消化すれば、相場は再び上値を追う展開となるか。
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bitbank Report 2024/07/18:トランプ氏のインタビューに市場はやや動揺 BTCは切り抜けられるか?