BTCは上に往って来い ドイツ売り圧解消までもう少しか
10日のビットコイン(BTC)対円は上値を試すも、終値では小幅に反落した。米国の現物ビットコインETFへの資金フローが前日も2億ドル(≒320億円)を超える純流入となったことで、この日のBTC相場は上値を追う展開となり、58,000ドル(≒937万円)周辺のレジスタン上抜けに成功、ドル建てでは59,000ドル周辺(≒953万円)の200日線をも回復した。一方、その後は戻り売りが入り上げ幅を縮小すると、欧州時間の序盤にかけてドイツ政府が約1万BTC(≒928億円)を取引所やマーケットメイカーに送金したことが嫌気され、相場は上げ幅を完全に解消した。その後の相場は、大口BTCの売り圧力への懸念が燻るも、FRBの早期利下げ期待が下値の支えとなったからか下げ渋る展開となった。
昨日のBTC相場は、ETFへの流入とドイツ政府の売りで綱引き状態となった格好だが、5万BTC(≒4644億円)あったドイツのBTC残高は既に1.3万BTC(≒1207億円)まで減少している。ETFフローは昨日も日次平均の201億円を超える流入が見込まれ、ETFがドイツ政府の売りを吸収し切るのは時間の問題と言え、懸念は徐々に解消されていくだろう。他方、本日は今週の目玉材料となる6月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。パウエルFRB議長は昨日、インフレ鈍化の進捗について「ある程度自信がある」とも発言しており、インフレ鈍化傾向が継続すれば、9月の利下げ着手の可能性が現実味を帯び、BTCの支援材料となろう。