独政府の売り加速も底堅いBTC 相場はネックラインでの攻防へ
8日のビットコイン(BTC)対円相場は上下に振れるも、終値ベースでは反発した。この日のBTC円は898.2万円から売り優勢で取引を始めたが、55,000ドル水準(≒884.5万円)を割ると買い戻され、東京時間の終盤にかけて下げ幅を奪回した。欧州時間に入ると、相場はショートカバーを伴って940万円近辺まで急伸したが、これにより58,000ドル水準(≒932.7万円)にタッチし失速。米時間序盤にかけては、ドイツ政府が合計約1.6万BTC(≒1458億円)の送金を行ったことで、相場は上げ幅の殆どを吐き出し885万円まで急落を演じたが、55,000ドル周辺となる同水準で再び押し目買いが入った。また、その後発表されたNY連銀の消費者調査でインフレ期待が低下したことで、相場は小高く推移した。
昨日はドイツ政府の売り圧力が増加したが、足元ではMt.Goxの弁済に対する過度な懸念の巻き戻しや、ETFへの資金フローが改善し相場の下値は堅かった。また、ドル建てBTC相場は55,000ドル下抜けを2度試すも失敗、5日から安値を切り上げる推移となり、昨日は週足ダブルトップのネックライン(56,500ドル≒909.5万円)を僅かに回復するなど、底堅さを印象付けている。とは言え、このネックライン周辺は戻り売りがでやすい水準でもある。本日はパウエルFRB議長の議会証言があり、インフレ低下の進捗からややハト派寄りの発言が期待されるが、ドイツ政府のBTC売りが本日も続くと考えれば、BTC相場は引き続き揉み合いとなるか。
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bitbank Report 2024/07/09:独政府の売り加速も底堅いBTC 相場はネックラインでの攻防へ