BTCは戻り一服で反落 需給悪化懸念が上値圧迫
2日のビットコイン(BTC)対円は1017万円から取引を始めると、東京時間は小幅揉み合いに終始したが、ユーロや欧州株式市場が序盤に弱含むのを眺め1011万円まで押した。その後、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が欧州中央銀行(ECB)主催の経済フォーラムで、米国は「ディスインフレの道」に戻ったと発言し、相場は一時小締まるも、その前後でドイツ政府のBTCが動いたことや、5月のJOLTs求人件数が強めにでたことで1000万円近辺まで反落した。一方、この日は米株が堅調に推移したことでその後のBTCは下げ止まり、終値では節目の1000万円を維持した。
ドル建てBTC相場は週明けにテクニカル的なレジスタンスが密集する64,000ドル近辺まで反発した後に失速。戻り一服感が漂う中、ドイツ政府によるBTC売却の思惑と米雇用関連指標の上振れにより反落した格好だ。JOLTs求人件数は遅行指標であり、相場への影響はあまり強くないと指摘されるが、ドイツ政府によるBTC売却の他に今月はMt.Goxの弁済開始もあり、大口のBTC売りによる需給悪化懸念は引き続き相場の上値圧迫材料となろう。一方、パウエル議長のハト派的な発言を受けて、市場が織り込むFRBによる9月利下げ開始の可能性はさらに上昇しており、BTC相場の下値は限定的か。本日の相場は緩む展開で始まっているが、節目の61,000ドルやボリンジャーバンドの-1σ(61,369ドル)が推移する990万円周辺が相場のサポートとして意識される。