ブレイクアウトを試すBTC NYSEの異変で上げ幅縮小
6月3日のビットコイン(BTC)対円は反発し、先週の下げ幅を解消した。BTCは週末の間に国内取引所からの不正BTC流出を消化し、この日は東京時間から買い戻しが入った。また、2021年のミーム株相場暴騰の火付け役となったキース・ギル氏が、1.8億ドル相当のゲームストップ(GME)株を保有していることを明かしたこともリスク資産に追い風となったか。BTC円は、米時間には1100万円にタッチしたが、これによりドル建てBTC相場が下降チャネル上限にタッチすると失速した。その後はNY証券取引所(NYSE)のシステム不具合によって一部の銘柄が急激な変動に見舞われ、60近くの銘柄が一時取引停止となったことを嫌気し、BTCは上げ幅を縮小したが、システムが復旧すると相場は底堅い推移に転じた。
NYSEのシステム障害を受けて、序盤の米株式市場は弱含む展開となったが、全米供給管理協会(ISM)が昨日発表した製造業降板担当者景気指数(PMI)は、市場予想の49.6を下回る48.7となり、米国債市場では買いが先行、政策金利動向に敏感な2年債利回りは2週間ぶりの水準まで低下し、株式市場も引けにかけては持ち直した。先週末の米インフレ指標や昨晩の製造業PMIの下振れを受けて、米連邦準備理事会(FRB)による年内利下げ着手への期待感は強まっており、BTC相場は本日も確りとなるか。ECB理事会や米雇用統計といった重要イベントと指標は週後半に控えているが、本日は4月のJOLTs求人件数の発表を控えており、BTCドルは本日も下降チャネル上限(70,300ドル≒1099万円)を試す動きが視野に入る。