米CPIとFOMCでBTCは上に往って来い 今夜もインフレ指標に注目
12日のビットコイン(BTC)対円相場は大きく上に往って来いを演じた後、小幅に上昇した。前日の急落から売りが一巡し、東京時間のこの日の相場は1060万円周辺で底堅く推移すると、欧州時間には小高く推移し1070万円台に戻した。その後発表された5月の米消費者物価指数(CPI)は、総合とコア指数共に下振れ、BTC円は1090万円近辺まで急伸したが、ドル建てBTC相場が70,000ドル周辺を走る下降チャネルの上限にタッチしたことで失速すると、未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)が公開した最新の経済見通しで年末の金利着地水準が50bp引き上げられ、BTCは急反落を演じた。ただ、声明とパウエル議長からインフレ鈍化の進捗を認める見解が示されたからか、相場は再び反発、終値では1070万円を回復した。
FOMCは予想以上に年内の利下げ回数想定を減らし(3回→1回)タカ派に捉えられた。しかし、利下げ開始時期に関しては引き続きデータ次第で、インフレの一層の鈍化が必要というスタンスは変わらず、CPIが下振れたからか、FF金利先物市場では年内2回の利下げがコンセンサスとなっている。インフレ目標達成についても声明では、「更なる進捗が欠如している」という文言が「多少の更なる進捗があった」に差し替えられており、データ次第ではFOMCの金利見通しもハト派的な修正が加わる余地もあると言えよう。上下に振れたBTC相場だったが、ドル建てでは11日の急落の半値戻しを回復しており、底堅さが窺える。昨晩のCPIに続き今夜の5月米卸売物価指数(PPI)も下振れとなれば、相場は再度70,000ドル(≒1097万円)を試すと見ているが、上振れの場合は66,000ドル〜67,000ドルエリア(≒1034万円〜1050万円)が下値の目途と指摘される。
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bitbank Report 2024/06/13:米CPIとFOMCでBTCは上に往って来い 今夜もインフレ指標に注目