BTCは重要イベントを前に急落 FOMCでどう動くか?
11日のビットコイン(BTC)対円相場は安値を広げる展開となり、先週の上げ幅を吐き出した。東京時間に30万イーサ(ETH、≒16.4億円)がコインベースに送金されたことが嫌気され、BTCは1090万円台から一気に1070万円近辺まで急落を演じると、前日の米現物ビットコインETFへの資金フローが21営業日ぶりに純流出を記録したことも相場の重石となり、1070万円も割り込んだ。これにより先週末からの保ち合いを下抜けたBTC相場は、テクニカル的なセンチメントの悪化に加え、本日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えた警戒感も相まって米時間序盤には一時1050万円をも割り込んだが、米株の反発につれてその後は切り返し、終値では1060万円を回復した。
昨日は想定外の材料がタイミング悪く出たが、米株は引き続き堅調、10年債入札も堅調な結果となり、BTCは安値から切り返し、イベント前の調整も一巡した印象がある。今夜の5月米消費者物価指数(CPI)は、同月の原油価格下落によって4月から伸びが鈍化する公算が高いと指摘される他、週明けにも指摘の通り、6月FOMCの経済見通しでは年末の金利着地想定の引き上げが25bpと最低限にとどまると予想され、市場には安心感が広がると見ている。本日のBTCは、75,000ドル(≒1178万円)は射程圏外になってしまったと指摘されるが、4月の米CPIが下振れた際は5,000ドル弱上昇しており、72,000ドル(≒1131万円)周辺までは上値余地があるか。