米PCEへの警戒感でBTC上値重く テクニカル的な買い支えもあるか
29日のビットコイン(BTC)対円は小幅に続落した。この日のBTC円は1076万円から徐々に戻りを試す展開で取引を始めるも、東京時間に69,000ドル水準となる1085万円にタッチすると戻り売りが入り、1070万円周辺まで反落した。欧州時間に入ると相場は1070万円を挟み込む展開に転じたが、31日の4月米個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控え米債利回りが上昇したことで、この日の米市場では主要株価3指数と金(ゴールド)が下落し、BTC相場の上値も重かった。幸い、円建てBTC相場はドルに対する円安の進行に支えられ、前日の安値1060万円を維持したが、ドル建てでは前日安値を切り下げ、短期三角保ち合いの下限(66,850ドル≒1053万円)に一時肉薄した。
本日のBTC相場は底堅くも上値の重い展開が続くか。BTCドルが三角保ち合いの下限に肉薄したことで、足元BTCには買い戻しが入っており、欧州時間に入るまでの相場は底堅い推移が見込まれる一方、本日は第一・四半期の米GDP成長率などの一連の四半期データ改定値の発表を控えている。市場では価格指数やコアPCEの高止まりとGDP成長率の下方修正が見込まれており、スタグフレーション懸念の再燃が予想される。週明けも指摘の通り、第一・四半期の米国のインフレ高止まりは既知の事実であり、BTCにとっては強い売り材料とならないだろうが、上値を抑える材料となるだろう。また、昨日の米国市場の動きから鑑みるに、4月PCE価格指数への警戒感は本日も続くと指摘され、BTC相場の上値余地は限定的と言えよう。
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bitbank Report 2024/05/30:米PCEへの警戒感でBTC上値重く テクニカル的な買い支えもあるか