BTCはレジサポ転換ならず 米CPI発表前に危うい動き

9日のビットコイン(BTC)対円は反落し、8日の上げ幅を掻き消した。前日にドル建てで三角保ち合い上抜けに成功し、円建てでは史上最高値の1100万円を付けたBTCだったが、この日は1080万円台での揉み合いで取引を始めると、ETFフローの悪化が相場の重石となり、ジリ安に転じた。欧州時間に入ると、相場は70,000ドル(≒1062万円)周辺のサポートを確認し、一時は下げ止まるも、この日の米株式市場でエヌビディアや銀行株が寄付きから下げを主導すると、BTCも下値を模索する展開に転じ70,000ドルのサポートを下抜けた。その後、BTC円は1030万円台まで押したことで、週明けに開けたCMEの窓を半分閉じて下げ止まり、終値では昨年までのドル建て史上最高値(69,000ドル≒1047万円)を回復した。


BTCは来週に半減期を控えて週明けに三角保ち合いのブレイクアウトに成功、昨日はセオリー通りに保ち合いのレジスタンがサポートに転じるのを確認しにいく値動きとなったが、サポートを下抜けする格好となった。米主要株価3指数は引けにかけて反発したが、BTCの戻りは鈍く、騙し上げによる失望感は本日も相場の重石となりそうだ。ただ、CMEでの窓半埋めや、BTC先物の資金調達率の低下、さらにオプション市場で70,000ドルが最大ピンとなっていることに鑑みれば、本日の米消費者物価指数(CPI)発表まで相場の下値は限定されよう。3月の米CPIは伸びの加速が見込まれている一方、コア指数は継続的な伸びの鈍化が予想されている。3月の原油価格上昇を正しく織り込めていれば、上振れサプライズ回避で安心感が広がると見ているが、結果を確認する前の突っ込み買いは控えるべきだろう。


