戻りを試すビットコイン 雇用統計でどう動く?
7日のビットコイン(BTC)対円相場は小幅続伸したが、終値での1000万円回復には至らなかった。この日のBTCは987.9万円で取引を開始すると、ドル円相場が下値を広げたことが相場の重石となり、東京時間に一時980万円を割った。一方、前日のパウエルFRB議長の下院での証言がややハト派に映り、海外時間に入ると米株先物が上昇。BTCはこれに連れ高となりこの日のプラス圏に浮上した。その後、米新規失業保険申請件数が上振れると、米時間のBTCは小確りと推移。また、パウエル議長が上院での議会証言で、利下げ着手を確信できるデータを得られるのは「そう遠くない」と発言したことで、BTCは1006万円にタッチした。しかし、ドル建てで68,000ドル近辺となる同水準で相場は失速し、米市場引け後には上げ幅を縮小した。
パウエル議長は引き続き利下げ開始の具体的な時期についての発言は避けたが、昨日の証言は前日よりもハト派的なトーンだったと言える。ただ、本日は2月の米雇用統計の発表を控えており、BTC相場は午後10:30まで警戒ムードが広がり、上値の重い展開となるか。しかし、直近の米雇用関連指標は緩やかな悪化傾向を示しており、先月は強めにでた雇用統計もどちらかといえば勢いを弱める公算が高いか。BTCはドル建てで昨年までの史上最高値(69,000ドル≒1019万円)まであと2,000ドルの水準まで戻しており、雇用統計の結果次第では、本日は同水準を試す展開が視野に入る。尤も、以前にも指摘の通り、69,000ドル周辺では利食いが入る可能性もあり、上値トライ後の急反落には注意したい。