BTCはETF取引開始後の下げを奪回 そろそろ深追いに警戒か?
8日のビットコイン(BTC)対円相場は概ね上昇一色となり、米国で現物ビットコインETFの取引が始まった直後の下げ幅を奪回した。BTCは655.7万円で取引を開始すると、東京時間は小高く推移し、660万円を回復。短期でダブルボトムのパターンが完成したことで、海外時間にもテクニカル的な買いが入り、相場は米国時間に差し掛かると670万円も回復した。この日発表された米新規失業保険申請件数は、市場予想を下回る低下となり、米債利回りは上昇したが、米株式市場は半導体銘柄の上昇や小型株物色へのシフトでこの日も確りとなり、BTC相場の下支えとなった。また、昨日はブラックロックのビットコインETF(IBIT)がグレイスケールのETF(GBTC)の売買代金を超えたことも好感され、米国時間のBTC円は一時680万円にタッチ。ドル建てでは1カ月ぶりに終値で45,000ドル(≒671.8万円)を回復した。
BTCは円建てドル建ての両方で一目均衡表の三役好転を示現し、ドル建てでもETF取引開始前の水準となる46,000ドル台(≒686.7万円)の回復を窺う展開となっている。テクニカルの改善やETFからの資金流出の減少で本日のBTCも強地合いが見込まれるが、本日は来週13日の米消費者物価指数(CPI)発表前の最後の週末となっており、米国時間にはポジション調整による売り圧力が加わる可能性に注意したい。また、米国時間までに相場が46,000ドルを回復するシナリオも視野に入るが、全値戻しに伴う戻り売りも想定され、46,000ドル回復後の上値余地は限定的と指摘される。円建てのBTCは年初来高値も射程圏内に入れる勢いではあるが、重要指標の発表を控えそろそろ深追いは禁物か。