ETF取引初日は上下に振れたBTC 米インフレ高止まりが重石に
11日のビットコイン(BTC)対円は上下に振れたが、終値ベースでは小幅下落となった。この日のBTCは679.1万円で寄り付くと、米国で現物ビットコインETFが承認されたことによる材料出尽くし感から上値を重くした。しかし、海外時間に入ると一部アルトコイン相場の上昇に連れてBTCは665万円で反発。その後、ブラックロックのETF(IBIT)がプレマーケット取引で25%ほど上昇したとの報道や、現物ビットコインETFの合計売買代金が取引開始数十分で5億ドルを超えたと報じられたことを好感し、BTCは2021年11月ぶりに700万円を回復した。一方、この日発表された12月の米消費者物価指数(CPI)が上振れたことで、その後のBTCは米株の下落に連れ安となり、上げ幅を掻き消した。
米CPIの上振れ(予想3.2%→結果3.4%)を受けて米債利回りは一時上昇したが、米国債の入札を通過すると下落に転じ、未明のBTC相場の下支えとなった。一方、CPIの結果を受けて米クリーブランド連銀のメスター総裁は、3月の利下げ開始は時期尚早だと発言したが、FF金利先物市場では3月の利下げ開始観測は後退しておらず、インフレの高止まりは一時的という見方のようだ。ただ、債券市場はCPIの上振れに下落(金利は上昇)で反応しており、本日の米卸売物価指数(PPI)の発表には引き続き注意したい。他方、現物ビットコインETFの取引初日の合計売買代金は40億ドルを超える好調な滑り出しとなっており、目先ではETFの活況な商いがBTC相場の下支えとなり、底堅い推移が期待される。
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bitbank Report 2024/01/12:ETF取引初日は上下に振れたBTC 米インフレ高止まりが重石に