水面下で動くブラックロック FOMC通過でBTCはどうなる?

10月31日のビットコイン(BTC)対円は反発し、終値で520万円を回復した。東京時間のこの日の相場は510万円台中盤で揉み合いに終始。ドル建て相場はジリ安となったが、ドル円相場が149円周辺から一気に150円台に乗せたことがBTC円の支えとなった。一方、欧州時間に入ると米株先物や金(ゴールド)相場の上昇を眺め上昇すると、ドル円相場が151円台に乗せたことも支援となり、BTCは520万円台乗せに成功した。その後も米株の上昇が相場の支援となった他、ブラックロックがビットコイン上場投資信託(ETF)の流動性提供のために大手マーケットメーカー数社と対話しているとの情報が流れ、BTCは米市場引け後には525.7万円まで上昇した。ただ、先週からのレンジ上限の上抜けには至らず、524.3万円で引けた。


保ち合い上抜けを彷彿させる底堅い推移が続くBTC相場だが、日本時間11月2日午前3時には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を控えており、依然として油断できない状況だ。長期金利の上昇を背景にFOMCは追加利上げについては市場の予想通り見送ると想定しているが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が市場の利上げ終了観測を牽制すれば、BTCの上値を圧迫すると指摘される。一方、FF金利先物市場では12月や2024年1月の利上げを織り込む動きも出てきており、パウエル議長からタカ派的な発言があってもBTCの下落余地は限定的か。今夜のFOMCで取引の手掛かりがつかめなければ、相場は3日の米雇用統計待ちとなり、方向感に欠ける展開が続くだろう。



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bitbank Report 2023/11/01:水面下で動くブラックロック FOMC通過でBTCはどうなる?