BTCはダブルトップ完成 米CPIを無事に通過できるか?

9日のビットコイン(BTC)は上下に振れるも、終値ではほぼ横ばいとなった。東京時間のこの日の相場は始値近辺で横ばいに終始。中国経済のデフレ懸念が台頭し上値を重くする場面もあったが、当局による景気刺激策への期待で下げ幅は限定された。海外時間からはアルト主導の上昇に連れて一時は430万円に乗せたが、中国景気悪化懸念や、6月から横ばいが予想される7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え米株や金先物が下落すると、BTCも反落し短くダブルトップを形成。その後、相場はネックラインとなる29,700ドル水準(≒427万円)も下抜け、422.5万円まで押したが、米市場引け後からは買い戻され、始値付近まで回復した。


本日のBTC相場も上値の重い展開が想定される。米国の銀行格下げやクレジットカード債務残高急増に伴う延滞率上昇、ひいては軟調な中国の経済指標を受けて、市場のリスク選好度は萎縮傾向にある。こうしたなかで本日の7月米CPIでは、直近数ヶ月のインフレペース鈍化に歯止めが掛かることが予想されている。6月の時点でCPIのエネルギー価格指数は上昇しており、7月の米原油先物相場がほぼ上昇一色であったことに鑑みると、ヘッドラインCPIの上振れサプライズには警戒しておきたい。こうしたコストプッシュ型インフレの執拗さが示されれば、消費へ懸念も大きくなると指摘され、リスクオフムードにも拍車が掛かるか。BTC相場はダブルトップ完成で心理的節目の30,000ドル(≒431万円)回復にも失敗しており、下値リスクには注意しておきたい。



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bitbank Report 2023/08/10:BTCはダブルトップ完成 米CPIを無事に通過できるか?