BTC続伸で一時3万ドル回復 想定外の好材料で2週間ぶり高値

8日のビットコイン(BTC)対円は続伸し、およそ2週間ぶりに終値で420万円台後半を回復した。米金利の先高観によるドル円相場の上昇を受けて、この日のBTC対円は堅調な推移で始まると、ドルテザー(USDT)のデペグ(米ドルとのペグが外れる減少)が解消に向かい、海外時間にはると420万円を回復した。その後、米フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁が、現状が利上げサイクルの終わりである可能性について言及し、BTCは425万円にタッチ。直後には相場が押す場面もあったが、ブラックロックとインベスコ内部の情報筋が現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の承認は時間の問題だと話している、とギャラクシーデジタルのノヴォグラッツ氏が決算の場で明かし、米時間のBTC相場は上値を追う展開となった。


ETFを巡って想定外の好材料が現れ、相場は一時30,000ドル水準(≒429.5万円)をも上回ったが、終値での同水準回復には至らなかった。米格付け会社ムーディーズによる米銀10行の格下げや、中国の7月輸出入額大幅低下など、景気先行きに対する懸念が再び台頭している。これによる米債利回り低下はBTCにとって歓迎される一方、米株市場の軟化はBTC相場の上値圧迫要因となり、相場が綱引き状態になりやすいと言える。ETFに関する材料は突発的な相場の動きに寄与しやすいが、材料の足ははやいと指摘され、継続的な相場の流れは生まないと見ている。また、目先の注目材料は米国の7月消費者物価指数(CPI)であり、インフレ高止まりへの警戒感が本日の相場の重石となろう。本日は中国の物価指標発表も控えており、デフレ懸念を誘う結果となれば、市場のリスク選好度萎縮に繋がるだろう。



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bitbank Report 2023/08/09:BTC続伸で一時3万ドル回復 想定外の好材料で2週間ぶり高値